2006年11月27日

小論文の書き方 「序論・本論1・本論2・結論」

前回ほめていただきましたので、今回も作文の授業テキストを公開します。今回は埼玉県の高校教師、寺田弘先生の「型から入る小論文指導」を参考にしています。
http://homepage1.nifty.com/sakubun/magazine/51.html
こちらで追加したのは、例文二つと、テキスト中「注意3」のデータを集める三つのコツです。

以下、テキストです。

小論文(比較文U、意見文)

はじめに
 今回は小論文の型を練習します。小論文のいちばん基本的な型は、序論・本論1・本論2・結論の4段落で構成します。先週の型と似ていますが、小論文の場合は数字などのデータを使って理由を示すことが大切です。

 序論 (第1段、問題を提示)
  現在、私たちの社会には〜すべきか、すべきでないかという問題がある。
 本論1(第2段、データ・資料を使い理由を示して自分の意見を主張する)
  私はこの問題に対して〜だと考える。それは〜という事実があるからだ。さらに詳しく説明すると〜。
 本論2(第3段、反対意見を想定し、根拠を示して反論する) 
  この問題に対して〜と反論する者もいるかもしれない。しかし、それは間違いである。なぜかというと〜。  
 結論 (第4段、もう一度自分の意見を強調する)
  したがって私は〜と考えるのである。  

例文1
 現在、私たちの社会には脳死した子供の臓器移植を認めるべきか、認めるべきでないかという問題がある。
 私はこの問題に対して認めるべきだと考える。それは臓器移植が必要な子供が次々に亡くなっていくという事実があるからだ。さらに詳しく説明すると、小児循環器学会調べでは、平成9年9月〜平成12年8月の三年間だけでも、心臓52人、肺20人、心臓と肺19人の合計91人の子供が移植を受けられないまま亡くなったという現状がある。これは、上記の三年間で、移植が必要な子供の35%が亡くなったということを意味する。
 この問題に対して子供の脳死判定は難しいから、まだ回復する可能性があるのに間違って臓器を取り出される可能性があると反論する者もいるかもしれない。しかし、それは間違いである。なぜかというと、誤った脳死判定の犠牲者よりもはるかに多くの子供たちが、移植を受けられないという理由で亡くなっているからだ。一人の命を守るために百人の命が犠牲になってもいいとは思えない。
 したがって私は、脳死した子供の臓器移植も認めるべきだと考えるのである。

例文2
 現在、私たちの社会には脳死した子供の臓器移植を認めるべきか、認めるべきでないかという問題がある。
 私はこの問題に対して、認めるべきではないと考える。それは、子供の場合は脳死判定が難しく、ときには脳死と言われた後でも呼吸が戻ることがあるという事実があるからだ。さらに詳しく説明すると、近畿大学の病院では「脳死」と判定された乳児は、判定の6日後に呼吸が戻り、その後四年も生きた(朝日新聞 2006年06月03日)。
 この問題に対して、誤った脳死判定の犠牲者の数は、移植を受けられないで死ぬ子供の数よりはるかに少ないから、より多くの命を救うためには移植を認めるしかないと反論する者もいるかもしれない。しかし、それは間違いである。なぜかというと、たった一人でも、間違って脳死判定されて生きたまま臓器を取り出されるようなことがあってはいけないからだ。不幸にも病気で亡くなる子供と、欠陥のある制度のせいで人為的に殺される子供を数字だけで比べるのは間違っている。
 したがって私は、脳死した子供の臓器移植は認めるべきではないと考えるのである。

注意 1
問題の提示は普通、疑問文の形を使います。例文のように「という問題がある」や「という問題について考えたい」などを続けてもいいですが、「という」の前は「すべきか」などのように必ず疑問文にします。疑問文の中でも「何」「いつ」などの疑問詞を使わないで「はい」「いいえ」で答えられるような疑問文の方が、問題の提示には適しています。

注意 2
 本論1と本論2には、必ず具体的なデータを入れてください。地名や人名、日時などがあるといいです。さらに、何かの数字があるともっといいです。

注意 3
 データをインターネットで集めるには、三つのコツがあります。
 一つ目のコツは「いいキーワードを選ぶ」ということです。たとえば「人口」よりは「人口問題」の方がいいし、「高齢化」「少子化」「人口集中」「都市化」「過疎化」などと具体的にすると、もっといいです。
 二つ目のコツは「いい検索エンジンを選ぶ」ことです。2006年の時点では、「いい検索エンジン」とは、すなわちGoogleです。Yahoo!などとは検索結果が全く違いますから、同じキーワードで検索して比べてみてください。
 三つ目のコツは、「とは」「統計」の使い方です。たとえば「過疎化」で検索するだけでなく「過疎化とは」「過疎化 統計」と検索してみてください。「とは」を入れると、その言葉の定義が簡単に見つかりますし、数字のデータを見つけるには「統計」という言葉と一緒に検索するのが有効です。

参考:寺田弘(埼玉県・高校教諭)「型から入る小論文指導」
http://homepage1.nifty.com/sakubun/magazine/51.html
このサイトでも、今日と同じ型を使った小論文の例を,他に二つ読むことができます。
posted by 村上吉文 at 13:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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