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2012年07月07日

大飯原発再稼働反対のデモ、ずいぶん盛り上がっているみたいですね。

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 ここのところ、大飯原発の再稼働に反対する運動がずいぶん盛り上がっているようです。最初は僕も「政治的に偏った考えの人が自分の利益のために活動している」と思っていたのですが、坂本龍一さんの運動もあるし、学生時代の友人もデモに参加していたと聞いて、ちょっと誤解があったのかもしれないと思い始めています。
 それでちょっとだけ検索してみたんですが、やっぱり再稼働のリスクというのが今ひとつわかりません。停電とのリスクを単純に人命だけで比較すると、畑村洋太郎 (工学院大学)さんらの作っている「失敗知識データベース」では、2003年のニューヨーク大停電で4名の死者が出ているという記録があります。一方、震災後、放射能による死者は一人も出ていません。実際には大震災がこの夏もう一度襲ってくる可能性よりは、停電が起きる可能性の方がずっと高いでしょうから、死者数だけで比較するのは再稼働反対の側に非常に有利な条件なのですが、それでも、死者数の比較では停電のリスクの方が大きいように見えてしまいますよね。
 ただ、再稼働反対の運動は、「もともと政治的に偏っているだけが騒いでいる」とか「それに頭の悪い人が煽られている」というだけでは説明できない規模にまで発展しつつあるように、海外に住んでいる僕には見えます。しかし、その理由がよく見えてきません。
 「原発は悪い!」という主張はまったくそのとおりだと思うのですが、「必要悪」なのか、「必要じゃない悪」なのかが見えてこないのです。そして、「原発は悪い!」という声があまりにも大きすぎて、再稼働したリスクと再稼働しなかったリスクをきちんと比較した議論などが見つからないのです。
 敢えて検索結果をご紹介するなら、専門家によるものではありませんが、こんなのがあります。

原発再稼動のリスクは高くない - 誇りはどこにある
http://blog.livedoor.jp/furusatochan/archives/7165743.html

 また、たとえば、産経は日興証券の宮前耕也さんというエコノミストの分析として「7、8月の2カ月間に計画停電が実施された場合の実質GDPの押し下げ効果を2兆円」という試算を報じていますが、これはオリジナルが見つからないので検証のしようがありません。しかもこれは再稼働しなかった時のリスクであって、再稼働のリスクではありません。

 このブログをお読みの方はご存じかと思いますが、僕は新しいものが比較的好きな人間なので、もし原発を再稼働しないでやっていけるようになる見込みがあるなら、支持しますよ。それって海外の人にとってもかなりクールに映ると思いますし。

 ただ、非常に残念なことに、再稼働した時としなかったときのリスクをきちんを評価したデータが見つかりません。僕のような素人では、「ニューヨーク大停電は4人死んだ。福島の原発事故では誰も放射能で死んでない。だから停電のほうが危険」という程度の判断しかできません。特に再稼働に反対している方へお願いなのですが、稼働しなかったリスクは上に書いたようないくつかの例がありますので、再稼働に反対すべき根拠となるようなデータがありましたら、ぜひご教示くださいませんか。よろしくお願いいたします。

(ここで言っている「再稼働に反対すべき根拠となるようなデータ」というのは、原発事故が起きる確率とその被害の規模をかけあわえたリスクが、停電の起きる確率とその被害を掛けあわせたリスクより高いというデータです。たとえば「いったん原発事故が起きたら、停電より被害が大きい」という確率という視点のないデータは特に必要ではありません)

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【最近のつぶやきから】

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posted by 村上吉文 at 13:23 | Comment(7) | TrackBack(0) | 主張 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
それでも日本人は、原発の再稼働を選んだ。
一億総ざんげへの道。動き出したら止まらない。
この道は、いつか来た道。ああ、そうだよ、民族の歴史は繰り返す。

意思のあるところに方法はある。(Where there’s a will, there’s a way).
意思のないところに解決法はない。
意思は未来時制の内容であり、日本語には時制がない。
それで、日本人には意思がなく、解決法が見つけられない。
自然鎮火を待つのみか。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もって万世のために太平を開かんと欲す。
座して死を待つか、それとも腹切りするか。
私の父は、玉砕した。何のお役に立てたのかしら。
安らかに眠ってください。過ちは繰り返しますから、、、、

ああしてこうすりゃこうなると、わかっていながらこうなった、、、、、
12歳のメンタリィティには、知恵の深さが見られない。
わかっちゃいるけど やめられない。ア、ホレ、スイスイ、、、、

白く塗られた黒いオオカミの足を見破ることは難しい。
だます人は悪い人。だまされる人は善良な人。おとり捜査は難しい。
この調子では、人の命はいくつあっても足りるものではない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/




Posted by noga at 2012年07月07日 13:44
再稼働が懺悔につながるということは、再稼働のリスクの方が再稼働しないリスクより高いというご判断ですよね。どのように比較されたのか教えていただけませんか?
Posted by 村上吉文 at 2012年07月07日 17:44
この記事なんかいかがでしょうか。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51718075.html

既にご存じでしょうか?
池田氏のブログは、「それはどうかなぁ〜」と思う
論もありますが、データを元にしていて説得力はあると思います。

まあ、データは論に裏付けを与えるためのものなので、都合のいいデータばかりが集まっているのかもしれませんけど。

Posted by MSD at 2012年07月09日 11:40
MSDさん、貴重な情報をありがとうございます。
再稼働に反対している人に聞いても返事は返ってこないんですよね。そして、こうして定量的にリスクを考えている人の結論はやはり再稼働を支持しています。
これはもう情緒の問題なのかもしれませんね。情緒で危険な道を選んでしまっているように見えてなりません。それが多数にならなければいいのですが。
Posted by 村上吉文 at 2012年07月09日 12:52

記事をよく読んでみると、

再稼働に反対している人が根拠とするデータを、
お探しなんですね。

ちょっとお探しのものとは違ったかもしれません。
すみません。
Posted by MSD at 2012年07月09日 13:10

再稼働反対派の示すデータというものは
自分も見つけられませんでした。

上のリンクは、村上さんのお探しのものとは、
ちょっと違うのかもしれませんね・・・

すみません
Posted by MSD at 2012年07月09日 13:23
いえいえ、そんなことはありませんよ。再稼働反対の根拠になるデータをMSDさんが探しても見つからなかったというのも、大切な情報です。
Posted by 村上吉文 at 2012年07月18日 12:42
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