2006年11月07日

作文 引用+確認+疑問+意見

昨日の授業は、以前「天声人語」というエントリーでご紹介した奥泉香さんの書式に沿ってやってみました。
構成は、タイトルの通り、引用+確認+疑問+意見 です。
これに、このブログでも大きな反響のあった、子供の心臓移植の件をからませました。授業の流れはこんな感じです。


はじめに:
みなさんは、他の人が書いた文を読んで、賛成したくなったり反対したくなったりすることがありませんか。今回は資料を元に、自分の意見を書く練習です。使う型は以下の通りです。
 引用+確認+疑問+意見

例文
 海外で心臓などを移植(いしょく)することが必要な日本の子供のための募金(ぼきん)活動を支援(しえん)し、余ったお金を管理しているトリオジャパン事務(じむ)局長(きょくちょう)は次のように述べている。
「難病(なんびょう)の子供を抱(かか)えた親を温(あたた)かい目で見て、お金の面で厳しく追及(ついきゅう)しないでほしい。
受託(じゅたく)した資金の使途(しと)は患者さんの支援や啓発(けいはつ)活動に使っていますが、明細(めいさい)は公開できません。」
 つまり、寄付(きふ)金(きん)を自分たちが正しく管理しているか証明する必要はないと言っているのだ。だが、お金をどう使ったか説明する必要は、本当にないのだろうか。
 今までのお金が正しく使われなかったかもしれないと疑われ続けると、移植に必要な寄付が集まらなく可能性がある。なぜなら、次に寄付するお金もどう使われるか分からないし、医療費(いりょうひ)ではない個人的な娯楽費用などになってしまう可能性があるからだ。寄付をする人は病気の子供を助けたいから寄付しているだけで、お金を管理する大人に贅沢(ぜいたく)に暮らしてほしいと思っているわけではない。
 トリオジャパンは今後の活動のためにも、また、今までに寄付をした人たちのためにも、これまでのお金を使い方を説明するべきだ。


1.意見を書く対象の文章を読んでみましょう。

 赤石(あかいし)朱里(しゆり)ちゃんは埼玉県川越市に住む三歳の女の子です。今年の八月に心臓の重い病気にかかって、今は入院しています。このままでは、あと数ヶ月で死んでしまうそうです。朱里ちゃんを救うには、心臓移植(いしょく)をする他に方法がありません。でも、日本の法律では心臓移植ができるのは15歳以上に限られています。もしアメリカやカナダに行けば三歳の朱里ちゃんも移植を受けることができますが、それには一億円以上のお金が必要です。朱里ちゃんのご両親やその友人は「朱里ちゃんを救う会」を作って募金(ぼきん)活動を始めました。

意見1
 私は救う会に寄付(きふ)したいと思います。日本の法律を変えるには時間がかかります。朱里ちゃんには、もうそれを待っている時間はありません。子供には何の罪もないのです。日本に生まれたから治療(ちりょう)できずに死ぬというのは、絶対(ぜったい)に間違(まちが)っています。提供(ていきょう)される心臓を誰がもらえるかは、純粋(じゅんすい)に医学的(いがくてき)な理由だけで決められますから、朱里ちゃんの代わりに心臓がもらえない子供がいたら、かわいそうですが仕方(しかた)がないと思います。

意見2
 私は救う会には寄付しません。朱里ちゃんが助かったとしても、提供される心臓が増えるわけではありません。つまり、朱里ちゃんが助かったとしたら、他の誰かが助からなかったということになります。それよりは、法律を改正(かいせい)して、日本でも子供の心臓を移植できるようにするべきです。それが子供の命を救うための本当の活動です。

2.まず、「意見1」「意見2」のどちらに賛成するか決めます。自由に選んでください。

3.どの部分を引用するか決めます。「意見1」に賛成する人は「意見2」から引用してください。「意見2」に賛成する人も同じです。
例:トリオジャパンは次のように述べている。「・・・・・」
  意見1は次のように述べている。

4.次に、「つまり」でつなげて、引用部を確認する文を書きます。
例:つまり、寄付金を自分たちが正しく管理しているか証明する必要はないと言っているのだ。

5.それに対する疑問を書きます。
例:だが、お金をどう使ったか説明する必要は、本当にないのだろうか。

6.これに続けて、自分の意見を書きます。この部分は自由に書いてください。

7.最後に結論として自分の意見を一文にまとめて書いてください。
例:トリオジャパンは今後の活動のためにも、また、今までに寄付をした人たちのためにも、これまでのお金を使い方を説明するべきだ。

参考:波多野ファミリースクール 奥泉香 「大学生に作文を教える」

posted by 村上吉文 at 06:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
これは、日本語教師対象だから、上級以上の学習者向けの授業ですよね??
読みながら、日本人の僕が納得の文章の作り方でした。
こういう授業を国語の時間にしたかった・・・。
Posted by みっちー at 2006年11月07日 15:22
上の資料はすばらしいです。私が担当する授業で使いそうです。これからはこのような資料をもっともっとたくさん提供していただけるとありがたいです。
Posted by ylpang at 2006年11月08日 08:59
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