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1999年01月24日

砂の国の日本語教育51

 無事にサウジに戻ってまいりました。

 カレンダーどおり、週明けの土曜日、春セメスター最初の日に大学へ行きました。 しかし、駐車場ががらがらです。「まあ、時間どおりに来た俺がおかしいんだ」と校舎に入ろうとすると、なんと鍵がかかっています。「警備員までこれじゃ困るな」と思いながら、夜も鍵のかからない正面口から入りました。それが八時。

 ところが、九時になっても十時になっても誰も来ません。まあ、授業はなくて、今日はただの事務的な手続きがあるだけの日なんですが、それにしてもおかしい。またどっかで空爆でもしてんじゃないだろうなあ。

 と思っていたら、実はこの日はサウジ建国100年記念日だったのです。それにしては静かすぎる。大通りでも、何のイベントもありません。 もともと集会が禁止されている国ですから、イベント自体が難しいのですが、しかしサウジは虚しくなるほど国威発揚の努力をしている国なので、建国100周年までこんなに静かだとは思いませんでした。

 一夜明けた今日は、打って変わって大学本来の活気が戻ってきました。みんな(ほとんどエジプト人ですが)大げさに抱き合ったりキスしたりして再会を喜んでいます。僕のところもドアを開けておくと同僚がおおぜい通りがかって挨拶をしてくれます。中にはキスしようとしてくるのもいますが、(知的とは言っても)むくつけきアラブ野郎ばかりなので、ご遠慮願ってこちらも大げさにお辞儀をしてみせます。エジプト人は(少なくともうちの教員のエジプト人は)サウジ人と違って、ますます喜んでお辞儀をしてくれます。

 さて、日本からのおみやげの一つに漫画の「OL進化論」の英語版を持ってきました。よくお世話になる英語科のエジプト人教員へのものです。これは、ご存知の方も多いでしょうが、なかなか現代日本の雰囲気が現れていて、お勧めかもしれません。(ちなみに、最初は英語版だけ買ったのですが、もしかしたら教材にも使えるかもしれないと思って、日本語版も買ってきました。文庫本サイズも出ていますので、海外への携帯も楽です。) やはり、外国人には通じにくいギャグも多くあります。英語版を書店で見た時は、本の後ろに注釈があって、「お、これはいい」と思ったのですが、買ってよく読んでみると、どうも変です。 例えば、風邪で声がかすれた人が「Good evening. This is Shinichi Mori.」という漫画があります。これは森新一の声がかすれていることを知らないと面白くないので、注釈が必要になりますが、注釈には「森新一:かすれた声が特徴の歌手」と、「日本語で」書いてあるのです。でも、日本語で書いても英語圏の読者には分からないし、日本語が分かる読者には森新一を知らない人は少ないでしょう。英語で書いてくれればいいのに。

 英語版のタイトルは「The OL comes of age.」。講談社英語文庫です。



    ; 1419/10/05 <1999/01/24(日)> 14:34:55
posted by 村上吉文 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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