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2012年04月29日

ツイッターで日本語学習(8) 相手を特定せずに批判する



さて、「ツイッターで日本語学習」の最後の記事になります。今回は「相手を特定せずに批判する」というツイートの練習です。

難易度で言うとこちらの方が扱いやすかったので、本来はこの授業はもう少し前にやりたかったのですが、前に書いたように批判を受けた際の対応を緊急避難的に扱う必要が出てきたため、後回しになっていました。

ここで扱いたかった「相手を特定せずに批判する」というのは、一般的な世論に対して異を唱える、たとえば以下のような書き込みです。
Twitter / @sugimotoaya: 私は年齢を隠さない。女性に年齢を聞くのは失礼だと言う人が多いが、私はそうは思わない。30歳の人が30年間懸命に生きてきて、40歳の人が40年間懸命に生きてきて、その歳月を聞くことのどこが失礼なのか
https://twitter.com/#!/sugimotoaya/statuses/76910027394387969

ここでも前回と同じように「私は反対だ」「私は反対です」「私はそうは思わない」「私はそうは思いません」などで検索してみて、「〜という人が多いが」として対象を絞る表現や、文末に「〜のか」を入れて反語とする例が多いことに気が付きましたので、そういった典型的なつぶやきを幾つか集めて紹介しました。

結局、この日紹介する表現としては、以下の4つを入れるものとしました。
1.対象
2.賛成か反対か
3.理由
4.結論
実際のツイートでは4番目は省略されることも多いようですが、ここでは改めて主張するスタイルを扱うことにしました。

もし、クラス内だけで閲覧し合うようなタイプの授業をめざすのなら、このような意見文をもっと早く扱う方が難易度のステップという面では妥当ではないかと思います。そして、ツイッターでは自分の発言を公開するか、許可した相手にだけ見せるかを自分で決めることができますので、クラス内の学習者だけで完結したグループを作ることもできます。その場合は、外部からは発言は見えないので、自由で危険な海でサメに食いつかれるような危険もありません。

この場合は、もちろん日本人と知り合ったりフォローしてもらったりする可能性は低くなりますが、その分、トラブルが起きるリスクも減らすことができます。

さて、学習者たちの反応ですが、このクラスの参加者8人のうち、一年後の今でも日本でツイートしているのは3人です。具体的には、今月に入ってから日本語でツイッターに書き込みをした者が3名なのですが、最も積極的に発言している学習者をちょっとだけ紹介します。彼女は現在日本へ留学中で、留学前には東京の放射能の濃度などについて東京在住の日本人に日本語で情報を求めたりしていることが見て取れました。今は日本の生活について積極的に発言しています。彼女のこの一週間(21-27日)での発言数はRTも含めると20回です。27日がまだ終わってないことを考えると、1日に3回のペースといってもいいでしょう。彼女の現時点での最新のツイートは以下のとおり。
ハロキチさん、お気遣いありがとうございます。もう限界ですよこういうの!頭にきた><
この発言からも、日本人とコミュニケーションが続いていることが見て取れますよね。また、コース終了後半年以上が経過した昨年11月にデモ隊と治安当局が大規模に衝突した際には、例えば以下のように積極的に日本語でエジプトの状況を発信し続けました。情報ソースなどは明示していませんが、適切なハッシュタグなども付けられており、このコースで身につけたことが役立った一つの証といってもいいでしょう。
エジプト治安隊の何十人の狙撃手タハリール広場に面してる高いビルの上から何百人のデモ参加者を射撃してる!軍事武力団.治安部隊はご存知かもしれないですが、射撃している相手は敵意じゃないですよ!お前達と同じようにエジプト人ですよ!もう辞めなさい!#egyjp #mdjp #タハリール
彼女は政治経済が専門なだけあって、日本のジャーナリストや中東を対象にする研究者などからもフォローされています。この衝突の後、パソコンの故障により二ヶ月ほどツイートが途絶えますが、通信が途絶える当日にカイロ大学のデモを実況していたことから、当局に拘束されたのではないかと危惧する声が日本から上がるほどでした。

以上で8回にわたってご紹介してきた「ツイッターで日本語学習」のシリーズはおしまいです。こうしたソーシャルメディアを使った日本語学習はこれからもますます発展していくと思いますので、何らかのご参考になれば幸いです。

【参考】
09 意見文と写真投稿
https://docs.google.com/presentation/pub?id=1O-9a58Zv4PCIehlQNljKSQOkvW9ahZC6UjL9ojHsMBY&start=false&loop=false&delayms=3000

むらログ: ツイッターで日本語学習(1) なぜツイッターなのか
http://mongolia.seesaa.net/article/264280837.html

むらログ: ツイッターで日本語学習(2)
http://mongolia.seesaa.net/article/264852876.html

むらログ: Twitterで日本語学習(3) 自由で危険な海で泳ぎ始めた学習者たち
http://mongolia.seesaa.net/article/265324823.html

むらログ: ツイッターで日本語学習(4) ハッシュタグで渦中に飛び込む
http://mongolia.seesaa.net/article/266527512.html

むらログ: ツイッターで日本語学習(5) 4要素を入れて、とりあえずの完成形
http://mongolia.seesaa.net/article/266772039.html

むらログ: ツイッターで日本語学習(6) 想定外の批判に対応するために
http://mongolia.seesaa.net/article/267297635.html

むらログ: ツイッターで日本語学習(7) 対立を避けて反論するパターンの練習
http://mongolia.seesaa.net/article/267494838.html

【最近のツイート】

Sat, Apr 28


  • 04:04  Autonomous Student Learning Groups: Aims and Outcomes R SILVER - 立命館言語文化研究 「本研究は,五週間に渡る英語の自律学習グループのパイロットプログラムを報告したもので… http://t.co/Bnoow80b

  • 04:15  “たけし日本語学校 ベナン人卒業生大集合 - YouTube” http://t.co/jNqbS2Qe

  • 04:30  ベトナムの日本語弁論大会の地方予選が22日にあったらしい。こういう小さなイベントでも中継されるというのはすごいなあ。[ベトナム][日本語教育] / “Ustream.tv: ユーザー japanfoundation2012: Niho…” http://t.co/0CYgzFlA

  • 04:44  むむ、トルコのシンポジウムで、私のトルコ語理解が正しければ「外国語教育におけるテクノロジーの利用」というのがあるぞ。(嘘です、本当は「Google翻訳が正しければ」です) http://t.co/O31dyNqs

  • 04:48  #ronbun 福島青史 「共に生きる」社会のための言語教育 欧州評議会の活動を例にして / “litera08-1.pdf” http://t.co/6GOevD3G

  • 04:49  #ronbun 福島青史 「社会参加のための日本語教育とその課題 -EDC、CEFR、日本語能力試験の比較検討から-」 / “WasedaNihongoKyoikugaku_10_Fukushima.pdf” http://t.co/e7QODYLM

  • 04:52  #ronbun 福島青史「異文化間コミュニケーション能力のための教育とその教材について ハンガリーの日本語教育教科書『できる』の作成を例にして」 / “06.pdf” http://t.co/VHyq735g

  • 05:33  RT @manyo_109: 原発反対派の方は原発が危険だと思っている。でも、薬物も危険だし、車だって危険だ。使い方を間違えたら、言葉も文章も危険なんだけど、つぶやく人は福島の人たちのことを考えているのだろうか?

  • 07:09  【更新】 ツイッターで日本語学習(7) 対立を避けて反論するパターンの練習: 前回、批判を受けた時の方法として、自分が間違っていた時や、批判が漠然としすぎている時の対応を扱いましたが、やはりエジプトに関して日本人が間違ったツ... http://t.co/G0O4QmbR

  • 10:13  「必要なときには使うけれど、不要になったら学習のじゃまをしない。こういう当たり前のことが、例えば、コンピュータ室では実現できなかった。」 / “教育zine>教育オピニオン>iPadを教育用の道具としてどう使うか” http://t.co/kq9xSrN7

  • 13:18  【ウルトラマン基金】ウルトラマンからのメッセージ - YouTube http://t.co/2xl6tDuG

  • 20:04  1997年発表の資料。 / “「インターネットの子どもたち」【第一章】インターネットがやってきた|Naomi Miyake Laboratory|三宅なほみ研究室|東京大学 大学院教育研究科” http://t.co/7cmzhKBZ


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posted by 村上吉文 at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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