2012年03月22日

「テストファースト」によるコースデザイン

先日、職場の日本語教師養成講座で「テストファースト」を語学教育のコースデザインで応用してみる、という話をしたのですが、ときどき話題には上るもののウェブで検索してもあまり出てこないので、ここに書いておきます。

「テストファースト」というのは、もう十年ほど前にITエンジニアの方に教えていただいた考え方で、その頃はIT業界で非常に普及しつつあるということでした(文末の参考資料に入れた「テストファーストなんかきらいだ!」がちょうど十年前の記事です)。最近はあまり話題になっていないようですが、一時の勢いが廃れたのか、それとも身近になりすぎて敢えてトピックにする必要もないほど普及したのかは僕にはちょっと分かりません。

考え方としては文字通り、ソフトウェアを作る前にソフトウェアを評価するためのテストを作るということです。つまり、そのテストに合格するソフトウェアを、その後に開発するのです。詳しくは文末の「テスト駆動開発」をご覧ください。

日本語教育の場では、普通は
 1.ニーズ分析
 2.コースデザイン
 3.コースを実施する
 4.テストを作る
 5.テストを実施する
という順番が多いと思います。ここにテストファーストの概念を導入してみると、こんな感じになります。
 1.ニーズ分析
 2.テスト作成
 3.コースデザイン
 4.コース実施
 5.テスト実施
つまり、まずCEFRなりJFSDなりで目標となるCDSをリストアップし、その目標をクリアできたかどうかのテストを作るのです。そして、そのテストに合格できるようなコースをその後でデザインするわけですね。

こうすることのメリットは
 ・ニーズと評価の間にズレがなくなる
 ・ニーズにあったコースがデザインできる
という二点があげられると思います。

ときどき、「あの学生は実力がないから進級させるべきではなかったのに、テスト勉強だけ頑張るから進級してしまった」とか、その逆に「彼は日本語は上手なのに試験が下手だから進級させてあげられなかった」という話を聞くことがありますが、これは明らかにコースデザインと評価がバラバラになっているからです。ですから責めるべきは学生ではありません。

テストファーストでコースデザインをすれば、まずニーズと評価が直結するので、その間を結ぶコースデザインが可能になり、一貫した基準でコースが運営できることになります。面白いと思いませんか?

【参考】
テスト駆動開発 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E9%A7%86%E5%8B%95%E9%96%8B%E7%99%BA

テスト・ファーストなんて嫌いだ! - 記者の眼:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020904/1/

日本語教師養成講座 「テストを作ってみようA」
http://www.slideshare.net/midogonpapa/ss-11902053
posted by 村上吉文 at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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