2006年10月20日

天声人語

 朝日新聞は19日付「天声人語」で以下のように弓削達さんの言葉を引用している。
「戦後の唯一の配当が今の平和憲法、つまり神権天皇制を否定したもの。」http://www.asahi.com/paper/column20061019.html
 つまり、敗戦の大損害の中で神権天皇制を否定した平和憲法が唯一の成果だったとして、憲法改正に積極的な安倍政権を朝日新聞は批判しているのである。だが、憲法がもつ意味は神権天皇制の否定だけだったのだろうか。神権天皇制でなければ、一党独裁の共産制でも何でもよかったのだろうか。
 いや、神権天皇制を否定した代わりに得た民主制そのものが、唯一の成果である憲法の本当の意味だったはずである。そして民主制とは、天皇や経典ではなく市民の方が主権者であるという制度のはずだ。民主制では市民にルールや規則をよりよいものに変える権利がある。たとえどんな欠点があっても、規則を一言一句変えてはならないというのは、宗教的な原理主義国家が宗教の経典を扱う態度と変わらない。つまり、朝日新聞のような態度こそ、神権天皇制に近いと言うことができる。まして、安倍政権が何をしても日本が神権天皇制に戻る可能性は実質的にゼロなのだから、朝日新聞の指摘は不当な批判と言わざるを得ない。


なお、上記の文章は奥泉香さんが実践している大学生に対する作文教育の構成に従っています。ただし、参考にしているのは「引用・疑問・確認・主張」という構成だけであって、内容は奥泉さんとは全く関係がありません。

参考URL
「実践作文教育」というメルマガの奥泉さんのリレー連載「大学生に作文を教える」
第1回 第12号(2000.4.16)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/12.html
第2回 第21号(2000.6.18)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/21.html
第3回 第30号(2000.8.20)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/30.html
第4回 第38号(2000.10.15)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/38.html
第5回 第47号(2000.12.17)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/47.html

posted by 村上吉文 at 21:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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