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2011年09月03日

英語が上手な日本語教師でも『レバレッジ英語勉強法』は読むべし。



本田直之さんの『レバレッジ英語勉強法』を読みました。この本は、海外で教える日本語教師なら、すでに英語は充分に話せても目を通しておいた方がいいと思うので、簡単にご紹介します。

ここで繰り返し述べられているのは、「偏った英語」ということです。カクテルパーティーのようにさまざまな話題が交錯する場面では広い範囲の英語が必要ですが、「サーフィンで使う英語」などと限定すればそれほどたくさんの勉強は必要なく、三ヶ月の努力で上達が実感できるために次の段階に進みやすいと本田氏は主張しています。(ちなみに、「三ヶ月で上達するか一生上達しないか」のどちらかなんだそうです。こういう決め台詞、かっこいいですね)

この本は読者を「日本にて海外に留学などしたことがない人」と限定していますが、これは日本語を教える場合は「海外で日本語を教えている日本語教師」にとって非常に共通することが多いということでもあります。

日本に来ている日本語学習者の場合はインプットの量も多いし、必要にも迫られているので該当しない場合もありますが、海外で学んでいる日本語学習者は週に数時間程度の日本語学習で、しかも授業時間以外は日本と全く関係ない時間を過ごしている場合が多いですから、こうした対応は本当に大切だと思います。

もちろん、「偏った日本語」というのは学習者によって異なるので、自律学習とかCBIに重なる考え方が大切になります。

特に129ページの「英会話スクールを偏ったアウトプットの場にカスタマイズする」というところは、まさに僕がいつもこのブログで主張していることなので嬉しくなりました。最後の段落の小見出しには「一般的なテキストを使わず、自分で偏った授業を作る」とあります。本田氏はあくまでも学習者側の視点で書いているのですが、教師側の視点でこの主張を読んでみると、要するに一人ひとりのニーズを把握して、それに合った授業をすることが求められているということになります。

それこそが海外の数少ない学習時間で日本語を学んでいる人たちに報いる方法なのではないかと思います。

その他、この本にはこんなことが書いてあります。
・即効性と遅効性のアイテムの配分
・「四感」を駆使し「偏った英単語」を5回転させるレバレッジ英単語暗記法
・「アウトプット」を基準に」インプット」すればムダがゼロに近づく
・「きっかけ語」と「あいづち語」を用意する
・「偏ったリスニング教材」の選び方

レバレッジ英語勉強法』、なかなか刺激的な本ですので、教科書に偏重した従来の日本語教育に疑問を持っていらっしゃる方は、ぜひご一読ください。
posted by 村上吉文 at 18:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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