2011年06月26日

マウス一つで変わる学習者の取り組み


photo by MattGrommes

今日は、学習者の動機付けについて、僕自身が非常に面白い体験をしたので、皆さんにご紹介したいと思います。

よく、動機付けモデルなどにおいて、学習者が学習の過程をコントロールできれば、その学習に対する動機は高くなるということが指摘されています。つまり、勉強の方法や内容を自分で変えたりすることができれば、その学習者はよりその学習に対して積極的に取り組むようになるということです。

さて、僕の体験というのは僕がインターネットの東京外国語大学のwebサイトでアラビア語勉強している時のことです。

実は僕は妻と一緒にアラビア語を勉強しています。リビングのパソコンに東京外国語大学のウェブサイトを出して、そこでアラビア語を勉強するのです。席は二つあって、パソコンに近い方の席に座る人間がマウスを持ちます。どちらがマウスを使うかについては特にルールはなく、その日たまたまそこに座ったほうが、マウスを使うことになります。

そこで非常に面白いなあと僕が思ったのは、マウスを使わない方の席に座ると、とても眠くなってしまうということです。勉強している内容は全く同じです。しかし、自分がマウスを使うか、それとも妻のほうがマウスを使うかによって、動機付けがとても変わってしまうのです。

何故かと言うと、マウスを持っていない側の人間は、どうしても受け身になってしまうのです。もちろん、マウスを使っている人の操作によって、もってない方も例文や音声やビデオを同じように見ることができます。しかし、たとえ同じ内容であっても、そこにあるのは受動的な態度に過ぎません。

ところが、マウスを持つようになると、この態度が全く違うものになります。なぜなら、もう一回音声を聞こうか、とか、日本語訳だけを出してアラビア語を言ってみようかとか、色々積極的に、戦略的に考えるようになるのです。

つまり、セオリー通りではありますが、はやり学習のプロセスをコントロールできるようになるだけで、学習者は積極的にその学習に関わるようになれるのです。それは、マウスを動かすことができるというほんの些細なことでも、大きな結果の違いをもたらすのです。その意味で、非常に示唆的な経験でした。

これはおそらくデータを集めたりするのもとても簡単だと思います。もし卒業論文のネタに困っているような人がいたら、これを統計的に集めてみてはいかがでしょうか。つまり、ペアで同じ内容を学習させて、一人にマウスをもたせもう一人には持たせないようにするのです。おそらく、マウスを持っている人の方が、マウスを持たなかった人より、ずっと学習効果は高いのではないかと思います。

どのぐらいの差が出るのか興味がわきますね。
posted by 村上吉文 at 15:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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