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2011年04月07日

著作権に配慮された日本語教材の例

クリエイティブ・コモンズ関係の話題がここ数年盛り上がっていますが、日本語教育の世界ではどうなのか、ちょっと検索してみました。
まずは国際交流基金。「日本語教育通信」は、教材としては、「無料で許諾なし」で使うことができるそうです。出典が必要ですが、「編集するな」とか、「非営利のみ」という制限はないようですから、クリエイティブ・コモンズで言うと「CC_BY」に該当する扱いになるようです。ただ、日本語教育という目的に限ってのことですので、その部分がクリエイティブ・コモンズとは違います。
なお、著作権に関する特段の表示がない「日本語教育通信」が独自に創作した記事については、日本語教育目的の授業や教師研修などで、無料で許諾なしで使うことができます。ただし、その場合は、以下の方法などにより出典を明記してください。

出典「日本語教育通信」(C)(C) ○○○○ The Japan Foundation
(上記○○○○の部分には、使用する記事が最初に発行された年を西暦でご記入下さい。)

 しかし、「日本語教育通信」が独自に創作した記事であっても、刊行物・ウェブサイト等に転載する場合は、事前に「日本語教育通信」編集部の許可を求めて下さい。また、「日本語教育通信」の記事を翻訳して転載する場合にも、事前に「日本語教育通信」編集部の許可を求めて下さい。
http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/tsushin/copyrights.htm

次は、おなじ基金の「教科書を作ろう」です。こちらはウェブに出しても出版しても基金の許可がいらないので、上記の日本語教育通信よりさらに使いやすくなっています。
「みなさんが『教科書を作ろう』を使って教科書、印刷教材、WEB教材などを作成する場合、著作権の許諾を国際交流基金日本語国際センターから得る必要はありません」
http://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/textbook/jrs_04_01.html
これはこの教材(あるいは素材)自体をネットからダウンロードもできるようです。
http://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/jrs_04.html

同じ基金ですが、「みんなの教材サイト」はもともとウェブ上のコンテンツなので、利用方法がより具体的に説明されています。無断でコピーしてもいいし改変してもいいが有料は除く、ということですから、「CC_BY-NC」にあたるようですね。ただ、これもどんな目的でもいいのではなく、あくまでも日本語教育のためなので、そこがクリエイティブ・コモンズとは違うようです。
「1.交流基金が提供している素材やアイディアは、日本語教育目的および非営利での以下のような利用に限って、無料で許諾なしで使うことができます。
ただし、以下の2.〜5.の場合を除きます。
ダウンロードして自分のパソコンに保存する。
そのままコピーして、授業で使うワークシート等の教材を作成する。
加工して、授業で使うワークシート等の教材を作成する。
無料配布の刊行物に掲載する。

2.教材用素材を有料で配布する刊行物に使いたい場合は、事前に許可を求めてください。
3.教材用素材をウェブサイトに掲載したい場合は、事前に許可を求めてください。
4.写真素材の一部に、個人または学校クラス内の教材使用に限定されているものがあります。そのような素材の画面には注意書きがあります。
5.「CASTEL/J」イラストについている例文とその音声は、個人または学校クラス内の教材使用に限ります。」
https://minnanokyozai.jp/kyozai/about/copyright/ja/render.do
「みんなの教材サイト」


次に、このブログでもいろいろ批判してきたJITCO。ここは、この教材自体がまだそれほど知られていないようですが、かなりの量のコンテンツが無料で使えます。そのほとんどは技術研修生以外でも、普通に使えるものばかりで、もうちょっと注目されてもいいかな、と思います。以下の著作権に関する記述では「学習者は技能実習生以外でも可」というところに注目ですね。コピーも改変もできますが、日本語教育限定の利用となっています。
1.JITCOの許諾を必要としない利用

(1)以下の目的で利用する場合に限り、許諾なしの利用を認めます。
技能実習生又はその候補者に対する日本語指導
送出し機関が実施する派遣前教育
監理団体等*が実施する講習
講習終了後の継続学習
技能実習生への日本語指導に関する研修会等
*送出し機関、実習実施機関、日本語教育機関が含まれます。

日本語教育機関での日本語指導(※学習者は技能実習生以外でも可)
(2)以下のような方法で利用することができます。
ダウンロードして自分のパソコン等に保存する
ダウンロードしたものをそのまま出力して、日本語指導のための教材として利用する。
ダウンロードしたものを、画像の拡大・縮小や情報の入れ替え等によって加工し、日本語指導のための教材として利用する。」

「2.JITCOの許諾を必要とする利用

 例えば以下のような目的で利用する場合は、事前に許可を求めてください。

(1)有料の出版物等に掲載する場合
(2)無料の配布物であっても、日本語指導の教材として直接利用するのではなく、パンフレット等の印刷物等に利用する場合
(3)ウェブサイトに掲載する場合
(4)翻訳して利用する場合」
http://hiroba.jitco.or.jp/info/copyright_ja/
ところで、このJICOが関わってきた、かつての技術研修生の制度ですが、昨年7月の制度変更で入国当初から「技能実習生」扱いになり、労働基準法などで保護されるようになったとのことです。くわしくはこちらを。7月以前に入国した技術研修生が現在は労働基準法で保護されているのかは分かりませんが、制度の変更自体はいいことだと思います。

面白そうなのが、こちらです。立命館大学の総合理工学院・理工学部建築都市デザイン学科 大野裕教授による試み。CCライセンスをはっきりと謳っています。
研究概要 マルチメディア日本語教材開発 第二言語として日本語を学ぶ人たちのために、ネットワーク上にクリエーティブ・コモンズ・ライセンスで教材を提供するための基盤作り。
http://research-db.ritsumei.ac.jp/Profiles/28/0002710/profile.html


最後に、僕が職場で関係しているクリエイティブ・コモンズの教材をご紹介します。
「日本の茶道とわびさび文化の成立」
http://jfcairo.wordpress.com/2010/12/21/266/
無許可、無料で使えます。初級後半以上ですが、日本文化の勉強にもいいですよ。
posted by 村上吉文 at 14:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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