2011年01月05日

学習と実践を短いサイクルで繰り返すダイビングの勉強方法



この年末は紅海に行きまして、ダイビングの勉強をしてきました。で、語学の勉強とは全く違うな、と思ったことがあるので、メモ代わりに書いておきます。

何が違うかというと、学習と実践がかなり短いサイクルで組み込まれているということです。たとえば、午前中に勉強したことを、午後には実際に海に行ってやってみる、という感じになるわけです。

こっちはダイビングはおろかシュノーケルだってやったことがないので、そもそも水面下で息をするということ自体が初めてなわけですから、「とりあえず一分は顔を出すな」とか言われると、それなりに緊張して「ちょ、ちょっと待て」とか言いたくなるんですが、後から思うとそれでよかったんじゃないかな、と思います。陸上の環境とは全く違うので、そこに早くから慣れておく、という意味で。

ちなみに、そのあと口に息を送り込むレギュレーターが外れたときの対処を実際にやってみたら、すぐに深い方につれていかれたんですが、そしたら魚が列を作って泳いでいて、そりゃ感動しましたとも。

でも、日本語教育の場合、海外にいるとなかなかそういうわけには行きませんよね。国内でも、「習ったらすぐにそれを使う」という方針はあまり聞きません。もちろん、教室で日本人の先生とは話しますが、たとえば第一課で自己紹介を習ったとしても、その表現を使って実際に日本人に自己紹介する、というコースデザインは聞いたことがありません。

でも、スキューバの勉強では、それが前提になっているんです。

ちなみに、スキューバの勉強でも、教室のように「コントロールされた環境」というのはあります。「限定水域」という言い方をするんですが、定義によると「プール、もしくはプールのような穏やかな浅い海」なんだそうです。でも、僕の場合は一日目は確かに浅い海でしたが、二日目は水深12メートルの、要するに「コントロールされていない環境」まで行っていましたので、そこもずいぶん違いますね。ただし、インストラクターの方がずっと一緒なので、それほど危険はありません。ちなみにインストラクターの方はこちらです。

撮影taka & kayo

で、こういう「短いサイクルでの勉強と実践の繰り返し」というのは、学習動機を高く維持するのにもいいし、実戦経験からの疑問が次の学習で解決できるという意味でも、非常にいいのではないかと思うんですよね。

もちろん、実際の言語を使ったコミュニケーションでは相手の発話などをコントロールできないので、際補に必要な「コントロールされた環境から始める」というのが難しいでしょう。しかも、海外の場合は日本人すら見つかりません。

でも、2011年という時代に、インターネットを使えば、もう不可能ではないのではないかと思うんですよね。

たとえばtwitter。これはまず文字数に制限がありますから、いきなり長い文で質問されることもありませんし、140文字以上の詳細な回答が要求される質問もありません。そういう意味ではチャットも似ていますが、チャットと違って相手の時間を占有するわけではないので、返事に何時間かけても大丈夫です。

しかも、検索機能を使えば、自分に関心を持ってくれる人を見つけることも簡単です。たとえば「エジプト」とか「トルコ」とかだけだと「ヘタリア」関係の話題がいっぱい出てきますが、「アラビア語」「エジプト方言」「トルコ語」などの検索キーを使えば、かなりの確率でその地域の学習者に関心を持ってもらえそうな人を見つけることができます。つまり、「学習者に関係のあるキーワードを日本語にして検索する」という方法です。

中でもスゴイのが写真検索。たとえば以下のリンクはtwitterで写真を共有するサービスを「エジプト」で検索したところ。
http://twitpic.com/search#q=エジプト&type=mixed&page=1

これだったら、相手の日本語を理解する必要すらなく、写真だけで「何について書いているか」は想像することができます。こういうところで「こんにちは。わたしはエジプト人です。いいしゃしんですね」とだけでも何件かコメントすれば、そのうちの何割かは返事がもらえるでしょう。もちろん、そこから先はGoogle翻訳なり教師の補助が必要だとは思いますが、そうした日本人から実際に返事が来たというような経験を早いうちから持たせることができれば、ドロップアウトなどもだいぶ減るだろうし、多くの気づきもあるのではないかと思うのです。

今の日本語教育のコースデザインには、初級が終わった段階で初めて日本人と接触するような大前提があるように感じています。もちろん、それはそういう時代だったから必然的なことだとは思うのですが、そこから派生するドロップアウト、うきこぼれなどの問題は、すでに解決できる時代になっている可能性もありますので、もうちょっとこういった方法を考えてみたいですね。

posted by 村上吉文 at 13:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
私はビジネスパーソンにオンデマンドの授業を提供しているのですが、
学校ではなくマンツーマンや小クラスが多いので結構ダイビングに近い方法をとっています。


エビングハウス(独Hermann Ebbinghausによると
習ってから1時間後に56%、1日後に74%、1週間後に77%、1ヵ月後に79%忘れ、
一定時間が経過するとそれ以上の忘却はほとんど起こらないそうです。
と言うことは、当日に、それも習ったすぐあとで使わないと忘れちゃうんじゃないかと思って…。
ビジネスパーソンは時間がなく週2〜3時間で3年後には転勤というような人が多いので、
なるべく忘れずにすぐ使えるようにこちらが工夫するようにしています。
プリント宿題のようなものではなく
メールをしたり、実生活でタスクを与えたり。
日本に住んでいると環境が味方してくれますし。
Posted by あちゃこ at 2011年01月05日 22:14
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック