2010年10月05日

映画の予告編+iPadで日本語教育

映画の予告編が本編よりも授業に使いやすいことがあります。
なぜなら、無料で合法的に公開されているからです。
youtubeなどでも、cinematodayやmoviecollectionといったチャンネルがあります。
こういった大手のものは、著作権者に無断で公開しているとは考えにくいでしょう。
つまり、コストがかからなく、法的リスクも少ないわけです。

また、映画の予告編は語学の教材に非常にいいと思います。
なぜなら「見るかどうか決める」という判断を伴うからです。
何らかの判断材料にするためのインプットは、そうでないインプットに比べて、はるかに深く関わることになります。
また、映画の予告編は、「予告編を見てその映画を見たくなった人が、予告編をまだ見ていない人に説明して一緒に見にいこうと誘う」というかなり現実的な状況設定ができます。

また、映画の予告編はごく数分であるという点も非常に語学の教材として適しています。
なぜなら、語学の練習にはアウトプットが大切なので、状況設定などの説明やそれに関するインプットには長い時間を割くべきではないからです。
映画の予告編は、インプットが短く済むので、アウトプットに長い時間を当てることができるわけですね。

もう一つのメリットは、映像や音楽が感情を揺さぶるように設計されていることです。これはそこに使われている表現を深く心に刻み込むのに適しています。つまり、忘れにくくなります。

さて、ここで便利なのがiPadです。「またかよ」とか言わないでください。

なぜiPadがこういうときに便利なのかというと、全員に見せるよりも小グループに見せることに適しているからです。

全員に見せてしまうと、そこにインフォメーション・ギャップは存在しません。誰もが同じ情報に接してしまうのですから。一方、iPadは小さいので、教室を二つのグループに分け、一つのグループではAという映画の予告編を見て、もう一つのグループではBという映画の予告編を見るというようなことが可能になるわけです。ま、ノートパソコンが二台あっても同じことができるんですけどね。

ということで、実際に行った先日の授業をご紹介します。使った予告編は以下の四つです。

書道ガールズ


桜田門外の変


おにいちゃんのハナビ


オカンの嫁入り


授業の際に配布したプリントは以下の通りです。

どの映画を見ますか。

【今日の目標】
1.映画の予告編を見た人から話を聞き、その映画を見るかどうかを決められる。
2.予告編を見ていない人が映画を見るかどうか決められるように説明できる。
3.二人でどの映画を見るか話し合って決めることができる。

【やること】 以下の活動を二回やります。最初はぜんぜん違う映画の予告編です。二回目は似ている映画の予告編です。
1.二つのグループに分かれます。(Aグループ、Bグループ)
2.それぞれのグループで、映画の予告編(trailer)を見ます。
3.その映画の内容について日本語で話し合います。
4.二人組みを作ります。(Aグループの人とBグループの人が一人ずつ)
5.自分の見た予告編について、相手に説明します。
6.二人でどの映画を見に行くか決めます。
7.どの映画を見るか発表します。理由も言ってください。
8.もう一度、AとBのグループになって、見なかったほうの予告編を見ます。
9.自分の理解が正しかったか確認してください。

【宿題】
今日クラスでやったことをメールで書いて村上まで送ってください。
murakami@///////.org
書く内容は以下のとおりです。
1.どの映画の予告編を見たか。
2.その映画の予告編を見て、どう思ったか。
3.新しく覚えた日本語表現は何か。

【参考】
『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』
『桜田門外の変』
『オカンの嫁入り』
『おにいちゃんのハナビ』
http://www.youtube.com/user/cinematoday
posted by 村上吉文 at 13:38 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
やってみました。
@とうふ小僧、書道ガールズ
Aおかんの・・、お兄ちゃんの・・ 
をチョイス。

2組のグループが書道ガールズ見たいと言いましたが
ベトナムの学生は、女生徒のあきらめない姿勢が、
中国の学生は、中国との書道の違いに興味がある
ことが決め手になったそうです。

豆腐小僧はちょっと子供っぽかったみたい(^^;
(みんな20歳以上の学生なので)

Aは、どんな映画かグループで説明し、そして確認するだけで終わりました。

とても印象に残ったようです。
おかんの嫁入り、は「えぇ?!」と中国学生がちょっとびっくりしていました。

全部おぜんだてもなんだな・・・と思ったので、
Aはエアベンダーとナルニアを用意したのですが、ハリウッド映画は「あ、知ってる」となってしまい、Aに変更したところ大成功でした。

さすが村上さんですね〜。

はっきり言うと、出来が悪く、やる気もないクラスですが、ベトナム5名、中国2名 
ですが、ipadに興味深々で、映画もちゃんと見てくれました!よかったです。
Posted by ziruo at 2010年12月06日 10:06
ziruoさん、ありがとうございます!
やっぱりiPadとパソコンという感じですか?
それともiPadが二台あったりして・・・。
Posted by 村上吉文 at 2010年12月07日 01:15
ipad1台でやりました。
予告編は短いので、もう1つのグループには配布プリントを読みながら待ってもらいました(^^;

内容を把握するのに1回ではわからない、とのことだったので、
A->B->A->Bと、2回見せました。
Posted by ziruo at 2010年12月08日 08:48
ああ、なるほど、そういうやり方もありますね。
うちも三回くらいは見ていたかなあ。
Posted by 村上吉文 at 2010年12月08日 12:34
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック