2010年07月13日

ほめても怒ってもだめならアウトプットさせよ



「向上心がないやつはほんとにどうしようもない」という投稿がはてな界隈をにぎわせております。非常に長文なので詳しくはオリジナルを見ていただくとして、僕がちょっと驚いたのは以下の部分。
わたしたちがこれまで伝えてきた職場内での留意事項、ミスを減らすために気をつけるべきこと、そういうことがまったく彼女の頭には入っていなかった。
どうすればミスを減らせるかしっかり考えてる?と、これまでよりも強い口調で注意を促した。
本当に、彼女をどうすればよいのかわからなかった。
ほめてもだめ、怒ってもだめ。
彼女は例の、眉間に皺を寄せた神妙な表情で時折うなづきながらわたしを見つめていた。
わたしの問いかけにも、黙ってうなづき続けるだけだった。
ふとわたしは思うことがあり、話すのをふいにやめてみた。
彼女はそれでも表情を変えず、一定の間隔で二、三度うなづいた。
それから、はっとしたように、うなづくのをやめた。
ああ、この子は、ほんっとうに誰の話も聞いてなかったんだな、と改めて思った。
http://anond.hatelabo.jp/20100707221911

日本国内のビジネスの現場って、未だにこんな人材の育て方をしているんでしょうかねえ。
上司が部下に一方的に話すだけでは、特にこのようなミスした直後の部下の頭に入るわけがありません。
「私ってもうクビ?」
「どうしてこんなことしちゃったんだろう」
「私ってばかばかばか」
こういう雑念が頭の中を駆けめぐっているはずです。
授業に集中している学生にだって、なかなか教えたいことが伝わらないんですから、こんな状態の人が新しいことを学べる可能性は極端に低いでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか。

ここでは以下の2点がシラバスとして挙げられています。
1.職場内での留意事項
2.ミスを減らすために気をつけるべきこと

そういうことを伝えたいのだったら、上司が話すのではなく、こういう風に聞いてみればいいのではないかと思います。
「この職場で留意しなくてはならないことは何?」
「ミスを減らすためにはどうしたらいいと思う?」
こう質問すれば、少なくとも「聞いてる振り」でやり過ごすなんてことはなくなります。

要するにインプットさせるのではなく、アウトプットさせること。

文中では「しっかり考えてる?」と質問したとありますが、これに「いいえ」と答えられる人はまずいません。昔の先生が「分かりましたか?」と質問していたのと同じ。

こういうことは語学に限らず、教育に関わる人ならけっこう普通にやっていることだと思うんですけど、もしかしたら人材の育て方というのは、特殊な技術だったりするのかもしれません。そう思っていたら、関連する記事でteruyasterさんがこんなことを書いていました。
教える技術というものがあるとしたら、
その技術を教えてもらう授業があってもよさそうですが
そんな授業が学校にあるわけないですよね。

逆に教えられる技術というのも存在しない。

(中略)

そういう意味で教えること、
教えられることについては
僕も含めみんな一生素人なんだろうと思います。
http://d.hatena.ne.jp/teruyastar/20100711

よく、経理をやっている人が「費目の仕分けなんて常識じゃん。みんなやってるじゃん」と言っていたりしますが、すみません、僕もよく分かりません。
でも、同じように人材の育成というのも、どの会社でも必要な業務でありながら、教育業界以外では、初歩的な方法論もまだまだ普及していないのかもしれませんね。

7/14追記
ofuneさんよりtwitterのコメントで以下の本を紹介していただきましたのでご紹介します。

まだ読んだことはないんですが、著者の中原さんについては以下でコメントしたことがあります。
「むらログ:激変するラーンスケープ(Learnscape - 学びの光景):TwitterとUST時代の学びを考える」
http://mongolia.seesaa.net/article/150039180.html
中原さんのtwitterはこちら。
http://twitter.com/nakaharajun
posted by 村上吉文 at 07:47 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
そんなふうに考えさせても
遅刻が一向になくならない学生にはどうしたらいいものかと、、、
ちょっと事情が違うでしょうか
理詰めが足りない?
Posted by かわむら at 2010年07月13日 18:19
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

という、ふつーのコーチングの極意は日本にも昔からあるのに、それが浸透していないというのは、コーチングが重要であるという認識がされていないからでしょうか。

なかなかできないですよ。マネジャーと言われるクラスの人は、マネジメントのやり方を、きちんと習わずにその器に入れさせられる。自己流で自分の仕事をこなしてきた人は、マネジメントをフレッシュな心で見つめ直すチャンスも逃しがちなのかと思います。

仕事をすることと仕事をさせることは全く別のことであるということも、みんなの認識の中におぼろげにしか存在しない。

ワタシ、冷静になるとよくわかりますが、自分じゃなかなかできません。
Posted by bakase at 2010年07月13日 20:37
>かわむらさん
もしかしたらziruoさんかな? ziruoさんのブックマークから、この記事は発見しました。なかなか参考になります。

>bakaseさん
もしかしたら人材育成のノウハウが浸透していないから「教えてもらわなくても成長できる人」しか若いうちに成功できず、したがってマネージャーになる人はみんな受け手としても人材育成の経験がないということかもしれませんね。少しずつでもきちんとした人材育成を受けた人が蓄積されていったら、変わっていくのかもしれません。
Posted by 村上吉文 at 2010年07月14日 08:00
そうです。
自分でブックマークして忘れていました(--;
スポ根とかの影響もあるんでしょうか。
耐えろ、みたいな。

でも、そういった(?)デスマーチの中で学べること、というハテブもあって、そちらも参考になりました。


Posted by かわむら at 2010年07月14日 14:08
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