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2010年06月06日

外国人労働者の割合とGDPの驚くべき関係



移民政策に反対する人の中には「移民は労働力にはなるが教育などの負担もあがるから結局その国にとっては経済的にマイナスになる」という人がいます。

僕は経済学の理論についてはそういう人を説得できるほどの知識はありません。「理論」についてはね。

でも、今はネットの時代です。いろいろな指標が出ていますから、簡単な検証ぐらいはすることができます。GDPの高い国で、外国人労働者の占める割合はどうなっているのでしょう。

まずウィキペディアで国別GDPの上位を見てみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/国の国内総生産順リスト_(一人当り為替レート)
ここでは、三つの統計のうち二つでルクセンブルグが一位になっています。2007年の統計が紹介されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/外国人労働者
同じくウィキペディアで「総労働力人口の中で外国人労働力が占める比率」を調べてみました。こちらは2000年です。これを見ると、GDPで一位だったルクセンブルグが57.3%でダントツ一位であることが分かります。二位のシンガポールの二倍以上ですから、文字通りダントツですね。
そして、そのシンガポールも日本を一人あたりGDPで追い越したばかりで、アジア第一位のGDPを誇っています。

つまり、少なくとも以下のことは事実です。
2000年に外国人労働者の割合が一位だった国は、2007年のGDPで世界一位。
2000年に外国人労働者の割合が二位だった国は、2009年のGDPでアジア一位。

最初にお断りしたように、僕は経済学の「理論」についてはよく知らないのですが、移民が経済的にマイナスになるようでしたら、こんなことはあり得ないと思うんですよね。反対する人はコストばかり声高に主張しますが、実際はプラスの方がずっと大きいと考えていいのではないでしょうか。

そして、それを常日頃から肌で感じているのは我々日本語教育の人間の他にそれほどいないのです。私たちが社会に対して声を挙げていく必要があると思います。

【参考資料】
http://ja.wikipedia.org/wiki/国の国内総生産順リスト_(一人当り為替レート)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B7%8F%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88_(%E4%B8%80%E4%BA%BA%E5%BD%93%E3%82%8A%E7%82%BA%E6%9B%BF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88)

http://ja.wikipedia.org/wiki/外国人労働者
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85
タグ:移民
posted by 村上吉文 at 09:40 | Comment(15) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
「移民が多いこと=経済的にプラスに作用する」という説は、多くの議論を呼び込むのではないでしょうか。
 「移民増加=経済的にプラス」という議論には、常に「移民労働者を低賃金で雇用することで、その国の雇用者にとってコスト削減をもたらすため、経済的にプラスになる」という図式が含まれます。村上さんも引用されているwikipediaの記事の中でも、クウェートやカタールの一人当たりのGDPが多いのは、まさに外国人を低賃金で雇用しているからではないでしょうか。
 このような図式は、自国民と外国人の賃金格差を前提とします。今までのブログの記事から勝手に判断しますと、村上さんは多文化共生主義者だと思われます(間違っていたらごめんなさい)。そのような立場からは、このような図式は歓迎されないのではないでしょうか。
シンガポールでは、建築労働者などに従事する移民労働者が劣悪な環境での生活を余儀なくされているという報告(http://www.cnngo.com/ja/node/25942)があるようですし、ルクセンブルクにしても、移民労働者は上層と下層に二分化しているという報告(http://www.eurofound.europa.eu/ewco/studies/tn0701038s/tn0701038s_4.htm)もあるようです。残念ながら、移民を受け入れた多くの国では自国民と外国人の賃金格差が発生し、これが様々な社会問題を生んでいるようです。
 また、やはり村上さんが引用されているwikipediaの記事で、日本とシンガポールの一人当たりのGDPはさほど違いがないことから、「移民労働者を入れても入れなくても(経済的に)さほど変わりがない」という結論も出てきます。
 私は個人的には移民を受け入れる社会が望ましいと思っていますが、それを経済的な利益を題材に広く訴えることは、なかなかに難しいのではないでしょうか。
Posted by まつお at 2010年06月07日 00:14
まつおさん、コメントありがとうございます。
認識の前提が随分違うような気がしますので、後ほど僕の考えを書いてみたいと思います。
Posted by 村上吉文 at 2010年06月08日 17:10
外国人労働者が多いと一人当たりGDPが高くなるのは、計算方法にからくりがあると聞いたことがありますよ。
GDPは外国人労働者も含めた国全体の生産量、一人当たりGDPはGDPを★自国民のみ★の人数で割った値。
そうすると、外国人労働者が多ければ一人当たりGDPが多くなるのは当然ですよね。
Posted by kei at 2010年08月18日 02:57
追記
こちらに分かりやすく書いてあります。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10223269969.html
Posted by kei at 2010年08月18日 03:21
Keiさん、コメントありがとうございます。
ただ、ご紹介いただいた三橋さんの記事でも、外国人労働者も入れた人数で割り算をすると、ルクセンブルグの一人当たりのGDPは$55,000に下がってしまうとありますが、それでも日本の$40,000にくらべてずっと高い数字ですよね。
移民が経済的にマイナスになるようでしたら、こんなことはあり得ないのではないでしょうか。
僕のいいたいことはそういうことです。
Posted by 村上吉文 at 2010年08月26日 11:29
ルクセンブルクのGDPが高い理由は、少ない人口(50万弱)少ない労働力で高い利益率を誇る金融サービスを基幹産業の一つにしているためなので、総人口の多い日本と比べても意味はないでしょうね。

Posted by 通りすがり at 2011年09月09日 12:55
通りすがりさん、コメントありがとうございます。人口が多いと金融業はできないのですか?
Posted by 村上吉文 at 2011年09月09日 13:39
金融業そのものは可能ですが、一億人を支えるのは難しいでしょうね。バブル期の土建屋でも国民全員の雇用確保は無理だったように、国の人口が多いと単一の業種で賄うのは限度がありますので。

つまり人口が多いとそれだけGDPの底上げは難しくなります。今現在の高齢化を乗り切って英国規模の人口まで(五千万程度?)減らせた場合、必然的に雇用情勢も回復し、過剰な労働力も減れば、
必然と労働単価も上がるので、結果GDPも上昇する可能性はありますが。

この先、日本がGDPを上昇させる可能性があるとすれば、低コストを売りにする途上国に対抗するために徹底した機械化・効率化した工場=必要な労働力の抑制。少ない労働力で利益を上げる金融サービスなどで外国人労働者はおろか、日本人一般労働者ですらたいして必要とされなくなるかもしれません。
Posted by 通りすがり at 2011年09月09日 19:07
通りすがりさん、コメントありがとうございました。
通りすがりさんも高齢化が大きな問題であるとのご認識ですね。若い移民を大量に受け入れれば高齢化は少子化対策も即効力があるというのが外国人政策研究所の坂中氏のご主張です。
Posted by 村上吉文 at 2011年09月10日 00:34
坂中氏の持論を読ませて頂きました。
村上様は本当に氏の発言を文章化したものを読まれましたか?

あの方の理論は少子化対策の一つであって、高齢化対策にはなりえません。
外国人移民を受け入れれば、人口増になり、社会保障の費用を払ってくれるという理屈ですが、そもそも上記でコメントしました自分の発言のように、機械化前提の現代では人口=労働力が多いというメリットより、過剰労働力による労働単価の低下というデメリットが大きく、結果、社会保障を支払うどころか、社会保障に背負われる割合が高まりますので、市場が縮小しつつある日本の経済を無視した机上の空論の一つと思われます。
Posted by 通りすがり at 2011年09月10日 09:32
通りすがりさん
何度もコメントありがとうございます。
阪中氏の『移民国家ニッポン』を読んでいるところです。
ところで、今の日本は労働力が過剰なんですか? このあたり(↓)を見ると現状は不足側に振れているようですが。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3150.html
Posted by 村上吉文 at 2011年09月10日 14:19
話がずれてきてると思いますよ。
元々の話のGDPの件から発生しているので、自分は
一人あたりのGDPを上昇させる場合は、機械化と効率化の徹底=必要労働数の低下になるため、人口が多いと過剰労働力になると発言させて頂いてます。

長くなったので、結論を言いますと。

ルクセンブルグの様な少人口でGDPの高い国と移民を関連付けて一億人を超える人口の日本と比べるのは、移民推進論としては不適切という事です。
Posted by 通りすがり at 2011年09月11日 17:07
通りすがりさん
何度もコメントありがとうございます。
通りすがりさんが言いたいことは理解いたしました。私が前回申し上げたかったのは、人口の多い日本で機械化と効率化が進んでいるのにもかかわらず、実際の労働力がむしろ不足しているという指標があるということです。
また、かつては鉄鋼が主産業だったルクセンブルグも機械化と効率化を成し遂げたのは同じではないでしょうか。しかし外国人労働者はむしろ増えているわけですから、機械=必要労働数の低下とは一概に言いにくいものと思っております。
Posted by 村上吉文 at 2011年09月12日 12:36
僕も移民賛成です。米国が巨大国家でありながら一人当たりgdpでもトップクラスなのは、移民がいるからだと思います。コンセンサスが得られないだろうから、まずは g8諸国やオーストラリア、台湾等から来てもらえればと思います。米国は成功モデルとしてよく学ぶべきだとおもってます。
それにしても、どうしてこんなに排外主義が主流になったのでしょうね。愛国主義より国益至上主義でいきたい所です。
Posted by ベレルマン at 2014年06月10日 02:09
1人あたりgdp=国内の総生産(外国人を含む)÷国民(外国人を除く)
なので外国人が増えて国内で消費してくれたら一方的に増える計算になる
実際は質の低い外国人がきたら平均的な生産性が落ちていくのは経済学なんて知らなくてもアホでもわかるのに
それ以下?
こんなバカに何を教わってるのか?
Posted by 天才 at 2015年06月28日 18:33
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