2010年04月16日

コンテンツベースとか内容本位とかの日本語教育

前回の記事で
「志し高く」、かっこいいですね!
と書いた「孫正義LIVE2011」のスピーチですが、その後、いろいろなところで評判になっていますので、もう一度書いておきます。

有名なところではこちら。
「宝のスピーチ」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100403

それからこれかな。
「孫正義LIVEはスティーブ・ジョブスのスピーチを上回る日本語スピーチの最高峰だった!」
http://blog.livedoor.jp/tabbata/archives/50863749.html

他にも、「孫正義LIVE2011」というキーワードでブログ検索すると13,000件もヒットします。間違いなく、多くの人の心をつかんでいるんですね。
http://www.google.com/search?q=%22%E5%AD%AB%E6%AD%A3%E7%BE%A9live2011%22&um=1&ie=UTF-8&tbo=u&tbs=blg:1&sa=N&hl=ja&tab=wb

で、こういう教材を利用するには「Contents based」とか「内容本位」とか言われているコースデザインの概念を理解する必要があります。

というのも、基本的にはコースデザインは、まず「目標とする技能」があり、そこから「現状の技能レベル」を引いたものが「身につける技能」である、という考えがあるからです。で、その「身につけるべき技能」をスモールステップで簡単なものから学ぶわけですね。

一方の「内容本位」のコースデザインは、日本語ではなく、それ以外のたとえば日本語のアニメなどの「コンテンツ」があり、それを楽しむ過程を通して日本語を学んでいくというアプローチです。学ぶべきことを先に決める先行シラバスに対して「後行シラバス」と呼ばれる概念もちょっと近いですね。(ただし、内容本位でも先行シラバスでコースデザインすることも可能ですし、私自身もそういった教材を開発したことがあります)

これに関しては、青山ミカさんのtweetで知ったんですが、今度、牧野先生の講演があるんですよね。
AJALTの夏の公開講座。プリンストン大学の牧野成一先生がアニメ「千と千尋の神隠し」を使った内容本位の日本語教育について、講義をされる。 http://www.ajalt.org/kenshu/koukai.html http://twitter.com/yutakamika/status/11790866104

似たようなイベントについては、去年の七月にMSDさんもブログでふれています。

「プリンストン大学教授 牧野成一氏の講演を見た。」
http://msdkyoto.seesaa.net/article/123282348.html

さて、こういう「内容本位の日本語教育」というと、古くは文学が中心で、最近でもこういうサブカル系ぐらいしかなかったんですよね。

以前、スティーブ・ジョブズの英語のスピーチをネットで聴いたときに、「分身の術」を使って簡単なインタラクティブ教材にしたら非常にウケたことがありまして、その記事は今でもこのブログのブクマ一位になっています。ただ、そのときに痛感したのは、「日本語教育でもこういうコンテンツがほしいなあ」ということ。

その意味で、今回冒頭にご紹介した孫正義さんのようなスピーチが人気を博していることは、僕にとって非常にうれしいわけです。ビジネス日本語関連に関わっていて、内容本位のコースデザインをやってみたい人にとっては、非常にいいコンテンツなのではないでしょうか。もちろん、日本語で自分の可能性を切り開きたいと願っている学習者にとっては、もしかしたらまさに人生を変えるような刺激になるかもしれませんよ。
posted by 村上吉文 at 08:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
青山です! 

先生のブログが更新されたー!と思って
やってきたら、私の名前が出ていてびっくり。

孫さんのスピーチ、私もリアルタイムで
見てしまいました(最初、ちょっと見るだけ〜、
のつもりが、話に引きつけられて、気づいたら
最後まで見てました……)

親切な人が文字化もしてくれていますよね。

スティーブ・ジョブスの演説に匹敵するものだと
思います。






Posted by 青山美佳 at 2010年04月16日 08:54
蟻末です。

牧野先生は、フランス日本語教師会の顧問もしていただいていることもあり、お世話になっています。

2008年、リールのフランス日本語教育シンポジウムでされた「千と千尋」の講演の際、100人以上(150人ぐらいいたかも)の聴衆の中で、まだ映画を見ていない人が二人しかいなかったのをよく覚えています(うち一人が私。勉強不足を露呈)。

そのときから、どのように発展したか、最近やっと映画を見た私はまた機会があれば、と思っています。

コンテンツベース、私も考えていかなければ、と思いました。
Posted by Jun Arisue at 2010年04月16日 17:12
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