2010年04月13日

自己モニターを応用した音声教育

いやー、語彙習得もそうでしたけど、音声教育の分野もずいぶん進んでいたんですねー。
先週の日曜日、横浜国立大学の河野俊之先生によるセミナーを拝聴する機会があったんですが、僕が日本語教師の勉強をしていたときとは、明らかに時代が違うっていう感じです。
セミナーの内容を一言で要約してしまうと

発音矯正の時代は終わった

という感じでしょうか。
ここでいう「発音矯正」というのは、たとえば学生が「送金」というべきところを「賞金」と聞こえる言い方をしてしまったときに「いいえ、ソではありません。ショです」などと対応することです。

これがよくないのなら、どうやって学生の発音の間違いにどう対処するのかというと、まず学生に言わせるんですね。そして教員が「いいえ、それはソです」「それもソです」などとフィードバックし続けるわけです(正確にはソとショはまだ区別できないのでA,Bという記号でその違いを表します)。最初は当てずっぽうでもいいので学生が「ショ」と言えたら、すぐにその発音の違いを学生に書き留めさせます。この発音の違いは、たとえば「ソは重い。ショは軽い」などといった主観的なものでもかまわないそうです。肝心なのは学生が二つの発音の違いについて基準を見つけるということのわけです。

こういった教え方は、ひらがなの導入方法として川口義一先生からも伺ったことがあります。川口先生の授業では、五十音表をパワーポイントなどで見せて、「何でもいいから音を一つ言ってみろ」と言うそうです。で、学生が適当に「あ」なり「ん」なり言うと、五十音表のその文字をさして、「それはこの字」と教えるんだとか。

確かにサルのように先生のまねをするだけよりは、こうした教え方の方が学生は未知の世界を自分で探検しているような感じで楽しいでしょうね。しかも、自分で見つけた事実の方が忘れにくいですから、こうした方法は確かに効果的であるように思えます。

なお、河野先生の本は以下のようなものがありますが、今回ご紹介したような教え方がどこに載っているのかは、ちょっと把握しておりません。資料をお探しの方はご自分でご確認ください。


posted by 村上吉文 at 07:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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