2010年04月07日

「教育とは変化し続ける世界への適応力をつけさせること」カナダNB州の動画のご紹介

この動画、かっこいいですよ。Stephen Downesが紹介していたんですが、日本語教師に限らず、教育に関わる者は必見です。
動画はこんな感じで始まります。
最後にビデオデッキのトラッキングを調整したのはいつですか?
最後にフィルムを現像に出したのはいつですか?
最後に修正液を使ったのはいつですか?
最後に公衆電話を使ったのはいつですか?
最後にテレビのチャンネルを変えるために立ち上がったのはいつですか?

教育はどうなのでしょう。
気がついていますか?
次の十年で黒板もCDも机も学年もロッカーも教科書も通信簿も使われなくなることを。



後半、「想像してみてください」と未来的な授業の例を紹介しておいて、「気がついていますか? これらの授業は今日(こんにち)ニューブランズウィック州の公教育で実施されているのだということを」と持ってくるところなんか、なかなかニクイですね。そして最後にはしっかり「あなたが関わることが、子どもたちの未来を保証するのです」という主張を訴えて終わります。

内容はもちろんですが、音楽もかっこいいです。
で、驚くのは、これを公的機関が作ったということですね。何となく、日本の文部科学省がこんなわくわくするような動画で主権者に「教育にもっと関われ」なんて主張するとは、ちょっと想像しにくいとは思いませんか。首相官邸のウェブページに載っている動画も、無難な内容ばかりですよね。もちろん、動画で説明したり主張したりするようになっただけでも以前に比べればずいぶん進歩しているとは思うんですけど。

さて、この動画では21世紀の教育について、以下のように分析しています。
まず、「気がついていますか? 今の上位十種の職種は2004年には存在していなかったことを。」とした上で、今の子供たちは死ぬまでに14の職業を経験するだろうと予想し、「教育とは変化し続ける世界への適応力をつけさせること」だと主張しているんですね。つまり、学校で学んだことだけでは新しい職業には対応できないので、「知識を伝える」だけでは充分ではなく、現在はまだ存在していない未来の職業にも対応できるようになることが必要なわけです。

この点、日本語学習ポータルサイト「nihongo e na」の開発で技術的な部分を担当された角南さんの以下の文章を彷彿とさせますね。
僕は特にインターネットがもたらす、教育観のパラダイムシフトにも重要な側面だと思ってるんですよね。アナログをデジタルにすることでこんなに便利に、というのももちろん1つの魅力です。でもインターネットを使うことで、教科書的な知識をただ伝達するだけの授業から、渾沌としたリアルなものに学習者が主体となって接することで学んでいく授業へ、授業の性質を変えることもできる。これは教師の教育観・学習者の学習観をひっくり返すことにもなるので、痛みも伴うものです。でもそれだけの価値があると僕は思うんですよね。
http://withcomputer.jp/jlem20100327.html

ここでは未来のこととして語られていることが、カナダのニューブランズウィック州では今日すでに行われていることで、納税者に「教育にもっと関われ」と主張されているわけです。われわれはこの違いに留意したいと思います。
タグ:YouTube
posted by 村上吉文 at 20:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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