2010年03月28日

ICレコーダーを買ってみて思ったこと



以前、「日本語教師用のICレコーダーの選び方 」という記事を書いたことがありますが、実は所属先の組織のために買ったことはあっても、自分で買って所有していたことはありませんでした。

ところが、いろいろ思うところがあって買ってみたら、これが想像以上に、というかもう想定外に便利なんですよね。ひと月近くになるかもしれませんが、肌身離さず,身につけています。風呂の中でも一緒です。(子供と入るときはさすがに持ち込みませんが)

では、どんなところが便利なんでしょうか。とりあえず大切なところだけご紹介しますね。

【敷居が低い】
まず第一に敷居が低いってことです。
例えば紙の手帳と比べたとき、メモを取り始めるには少なくとも以下のステップが必要です。

 1.手帳の所定のページを開く。
 2.ペンをポケットから取り出す。(あるいは手帳から取り外す)
 3.ペンのキャップを外す(あるいはボタンを押して芯を出す)

ところが、ICレコーダーなら、以下の二つだけですからね。
 1.電源ボタンを押す。
 2.録音ボタンを押す。
しかも、両方とも片手でできますが、手帳の場合は片手でできるのはペンのボタンを押して芯を出す場合だけですよね。

3ステップから2ステップというのは、やってみると大きな違いです。おまけに、その次のステップが「文字を書く」と「しゃべる」ですから、これはもうICレコーダーの方が全然敷居が低いわけです。

では、「手書き」と「しゃべり」はどのように違うのでしょう。以下,この数週間、使いながら思いついた手書きのデメリットを羅列してみます。

 1.歩きながらでは書けない。
 2.暗いところ(寝ているときなど)では書けない。
 3.片手に本を持っていると書けない。(読書メモが取れない)
 4.時間がないときは書けない。(しゃべるのと同じ速度で書ける人は別ですが)

さきほど、「風呂の中にも持ち込んでいる」と書きましたが、これはまさに風呂で本を読んでいるからなんですが、読書メモを取るにはICレコーダーは最適ですね。

あと、やはり普通の手帳よりもずっと小さいというのも大きな利点なんですね。小さいということは携帯性に優れているということで、その結果、「いいアイデアがメモできる」という非常に大きなメリットが得られます。

「はぁ?」と思う人もいるかも知れませんが、これは単に「たまたまアイデアが湧いたときに身につけているかどうか」という問題ではないんですよね。というのも、アイデアっていうのはトイレに行ったりゴミを出しに部屋の外へ出たりしたときに限って、天から降ってくるものだからです。なんというか、パソコンの前とか手帳を持って身構えたりしている時には、もうアイデアの神様がわざとどこかのスイッチを切っているんじゃないかと思うような体験、みなさんもありますよね。メモが取れないような状況を狙って、神様は降りてくるんです。携帯性が高いというのは、まさにそういった状況でメモを残すチャンスを広げてくれます。

【デジカメは外交的、ICレコーダーは内向的】
視覚と聴覚という感覚の違いなのかもしれませんが、ICレコーダーは「アイデア」などの脳内作業の整理に向いています。以前に録音したアイデアを聞いている時に、そこからさらに掘り下げた考えを得ることがあります。そして、当然それも録音しておくのですが、そうしていると自分の内面をどこまでも深く見つめていくことになります。

ただ、そうすると、たとえば出張中で初めて見る街の景色なども、あまり興味がわかなくなるんですよね。おかげで、出張にICレコーダーを持参するようになってから、デジカメの撮影量が激減しました。

また、視覚と聴覚という違いから、やはり記録する内容にも違いが出てきてしまいます。たとえば女性の美しさなどはもちろんカメラの方が表現しやすいでしょうが、その女性に惚れてしまったら、その「惚れた」という内面的な感情はICレコーダーを通して声で表現する方が簡単でしょう。

言い方を変えると、文学をやっている人なんかはICレコーダーは結構いいツールじゃないかと思います。

【共有できないのか?】
それにしても、こういった思考などをもっと手軽に共有できないものかな、と思います。自分自身、ICレコーダーを身につけるようになってから世界が変わったと思いますし、それを分かち合えたら素晴らしいと思うんですよね。

たとえばtwitter。

140文字の思考がすごい勢いで世界中を駆け巡っています。これを音声でできたら、そりゃ、ものすごいことになるんじゃないでしょうか。いくら携帯でも入力できるとは言っても、このICレコーダーに比べたら、まだまだ敷居は非常に高いです。この敷居をもっと低くして、たとえば140秒以内のつぶやきを特定の電話番号に文字通り「つぶやく」だけで、それが世界中の人々と共有できたら。

ROMの人はラジオみたいに流れてくる世界中の一流の人々の、まだ原初の状態の思いつきを次々に聞くことができるわけです。そうなったら、本当に世界はすごくいい方向に変わるんじゃないでしょうか。

【人前で録音するのが恥ずかしいなら】
実際に所有してみるまであまり予想していなかったんですが、けっこう、これが恥ずかしいんですよね。でも、僕はすごい解決方法を見つけました。そういう恥ずかしがり屋さんには,こういう方法をオススメします。

ズバリ!「ケータイのまねをする」

これがね、効くんですよ。これだけケータイの種類が多様化している今、顔の近く握っていたら誰だって分かりやしませんよ。おまけに本体の大部分は手で握られて見えないんですから。むしろ、後で再生するときに自分が恥かしかったりしますが。

また、特に海外では日本語でつぶやいていても内容は周りの人に分かりませんから、ICレコーダーの利用が合っていますね。「俺ってかっこいい」と思えればなお可です。

【再生機能】
最初に録音の敷居が低いということを書きましたが、実はそれと同じぐらい大切なのが再生の敷居の低さです。よく携帯などのボイスレコーダーでは録音と再生が別々のアプリケーションに別れていることがありますが、ICレコーダーの場合は本体に録音ボタンと再生ボタンがありますから、録音アプリを閉じてから再生アプリを立ち上げるという手間もありません。

それから、僕の使っているのはソニーのUX300Fという機種なのですが、これはiTunesで使われている「.m4a」という保存形式も再生することができますので、iPodの代わりに音楽プレーヤーとして使うこともできますね。アラーム機能も付いているので、イヤホンを外しておけば内蔵スピーカーからのお気に入りの音楽で目覚めることもできますよ。

【その他のハックス】

ICレコーダーを語学の学習に使う人も多いかと思います。海外の場合、簡単な表現を現地の母語話者に話してもらって、それを毎日聞くような練習も多いでしょう。僕もよくやっていたのですが、練習しているときの音声を録音するといいことに気づきました。なぜなら、答えに詰まっているところで、その分、長い間その問題を思い出していられるからです。

またGTDをやっている人は、週に一度のレビューをやるときに使うと便利ですよ。歩きながらやると、更にどんどん出てきます。

ということで、思いつくままにICレコーダーのメリットを書いてみましたが、実は今回の「思いつくままに」もICレコーダーがあったからこそメモできたんですよね。そういう意味ではブログのネタに困っている人にも、オススメですよ!

【関係する記事】
むらログ: 日本語教師用のICレコーダーの選び方
http://mongolia.seesaa.net/article/137707919.html

むらログ: ICレコーダーを買ってみて思ったこと
http://mongolia.seesaa.net/article/144868904.html

むらログ: スマートフォンはICレコーダーの代わりになるか。
http://mongolia.seesaa.net/article/164964071.html

むらログ: スマートホンはICレコーダーの代わりになるか。(続編)
mongolia.seesaa.net/article/228403816.html‎

むらログ: スマホはICレコーダーの代わりになるか。(第3弾)
http://mongolia.seesaa.net/article/365583816.html
posted by 村上吉文 at 08:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
あのー・・・
素朴な疑問なんですけど、いろいろ録音しちゃってもそれを「再生」して「聞く」という作業にもかなり時間を取られるんじゃないだろうか?と思うんですけど、そのへんはどうなのでしょう?
撮りだめたビデオを見るのにも、録画していた分と同じだけの時間がかかるので(早送りすれば別ですが)、なかなか撮ったものを見る機会もないってことがあったりすると思うんですけど、たくさんたくさんいろんな時に録音して、いつ聞いていつまとめたりしてるんですか?録音されているものを聞きながら、それをまとめるためにメモとったりしてるんですか?
Posted by また使ったことがない at 2010年03月29日 05:10
コメントありがとうございます。
そうなんですよ。そこのところはもうちょっと効率化できる余地があると思っています。
現状では一日に一度パソコンに入力しています。ただ、逆説的ですが録音するというアウトプットにより記憶に刻まれるという側面もあるので、時間のかからないToDoメモならメモを取る前に片づいていることも多いです。
また、パソコンに入力するとき以外は町を歩きながらでも風呂に入りながらでも再生できます。要するに今までの「隙間時間」が利用できるので、それが負担になっているという意識はまったくありません。
Posted by 村上吉文 at 2010年03月29日 07:12
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