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2010年02月11日

朝青龍を引退に追い込んだ鶴田卓彦氏の「品格」

平成22年1月16日未明に発生した横綱朝青龍関の一連の不祥事は畏敬(いけい)さるべき横綱の品格を著しく損なうものである。示談の成立は当事者間の和解に過ぎない。横綱に対する国民の期待に背いた責任を免れるものではない。
 よって横綱審議委員会規則の内規5、ロの「横綱としての体面を汚す場合」により横綱引退を勧告する。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20100205ddm035050096000c.html?link_id=REH04

これが朝青龍への引退勧告書ですが、横綱審議委員会委員長の鶴田氏がお書きになったそうです。日刊スポーツは鶴田氏のことを以下のように書いています。
動かざるを得なかった。鶴田委員長はこの日午後、自ら東京・両国国技館の日本相撲協会に出向いた。
朝青龍の暴行問題について「重大な問題だと思っている」と言い、「私の責任で行動しなければと思った。
(他の委員とは)連絡はとっていない。委員長としての判断」と明言した。
http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20100130-590742.html

いかにも正義のヒーローが悪者を成敗したような書き方ですが、この日刊スポーツの記者、もしかしたら鶴田氏のことを何も知らないのではないでしょうか。

こんな当然のことをなぜ?と思う人もいるかも知れませんが、鶴田氏の事件からもう七年ほど経っていて、中には横綱審議委員会を品格のある人ばかりの集まりだと信じている人がいるかも知れませんので、あらためて確認しておきます。

以下は日経新聞のベンチャー市場部長だった大塚将司氏が当時は社長だった鶴田氏を内部告発した時の文書です。
昨年来、日本経済新聞社では、100%子会社であるティー・シー・ワークス(TCW)での不正疑惑が明るみに出る一方、それに関連したと思われる怪文書や鶴田社長の愛人疑惑を伝える報道などが乱れ飛びました。(中略)もしその中身が真実だったら、報道機関として存亡の危機に直面するのは間違いありません。
 そこで、私は、昨年夏からTCWでの不正疑惑と、鶴田社長の愛人疑惑について、独自に調査を始め、昨年末に調査を終えました。その結果の要約は、株主提案書にある通りですが、前者のTCWの不正疑惑については、特別背任事件として東京地検特捜部が立件する見通しで、その捜査対象に日本経済新聞社本体が含まれ、当社幹部の逮捕も取り沙汰されています。後者の愛人疑惑についても、否定する材料は一切なく、事実である可能性が極めて高いことが判明しました
http://www.asyura2.com/2003/bd24/msg/228.html

つまり、自分の部下に裏金や愛人問題で告発されてしまった社長、それが鶴田卓彦氏なのです。冒頭の引退勧告書にも「横綱の品格を著しく損なう」という文言がありますが、こういう人物に品格などと言う資格があったのかどうか、再考してみる余地があるのではないでしょうか。

内紛は以下のような経過をたどりました。
2003年、関連子会社の「TCワークス」に絡む不正経理・手形濫発事件で、事件を内部告発した大塚将司ベンチャー市場部長を、当時の鶴田卓彦日本経済新聞社社長が「名誉を傷つけられた」として名誉毀損で告訴し、3月20日付けで懲戒解雇した。解雇された大塚元部長は株主代表訴訟で応じたことから、同社は内紛状態に陥り、鶴田は事実上の引責辞任に追い込まれた。大塚と会社は後に「和解」が成立し、大塚は日経新聞社に復職し、現在は関連の研究センターで主任研究員を務めている。「TCワークス」は内装工事を手がける子会社であったが、日経本社は同社に対し74億2000万円の融資をしていた他、20億円の債務保証をしていた。「TCワークス」の社長ら3人は特別背任で逮捕された。最終的に日経側と元部長側は東京地裁の和解勧告に応じ、元部長の懲戒解雇処分を撤回。コンプライアンス(法令順守)向上のために、学識経験者などの第三者で構成する社長の助言機関を設置。その運営費用として10人の元・現役員が計2000万円、同社が1000万円を拠出する和解が2004年12月20日に成立した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%96%B0%E8%81%9E#.E7.96.91.E7.BE.A9.E3.81.8C.E6.8C.81.E3.81.9F.E3.82.8C.E3.81.9F.E5.A0.B1.E9.81.93.E3.80.81.E3.82.B9.E3.82.AD.E3.83.A3.E3.83.B3.E3.83.80.E3.83.AB

日刊スポーツの記事では「いかなる理由があろうとも暴力はいかん」という鶴田氏の言葉が掲載されていますが、それじゃ裏金はいいんですか? 愛人はいいんでしょうかね?

以下は「鶴田卓彦 愛人 裏金」というキーワードで検索した結果です。私の言葉が信用できない方はどうかご自分の目でご確認ください。
http://www.google.com/search?q=%E9%B6%B4%E7%94%B0%E5%8D%93%E5%BD%A6%20%E6%84%9B%E4%BA%BA%20%E8%A3%8F%E9%87%91
そして、こういう人物が書いた引退勧告書が果たして妥当だったのか、もう一度考えていただければと思います。

2月23日追記:
鶴田氏は高杉良氏の小説のモデルにされたことがあり、裏金と愛人の件について高杉氏を相手に裁判を起こし、勝訴したという情報もあります。判例サイトなどでは確認できなかったのですが、念のため追記しておきます。
posted by 村上吉文 at 06:41 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
双羽黒が引退勧告書を書いたのなら、
「お前が書くな」って思うかもしれないけど、
今は委員長としてちゃんと仕事をしているのなら、職責として引退勧告書を書いても問題ないような気がしました。

こんな記事を見つけました。
こういうことなのかなぁってあちきは思いました。

Jリーグ新人から引退横綱・朝青龍まで
〜 プロに必要な心構えとは?
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100205/209300/
Posted by fix at 2010年02月11日 22:26
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