ハイフォンで日本語を教えている先生が窮状を訴えてきました。昨年は300人いた日本語学習者が、今年は180人しかいないとのこと。
では、日本語の学習者の代わりに英語の学習者が増えているのかというと、実はそうでもありません。グローバリゼーションの時代とはいっても、今年になってから急にベトナムが市場を開放したというわけではないのですから。
では、韓国語か? 日本ではブームもすぎたようですが、ベトナムでは今が韓流ドラマの頂点かともいえるぐらい、お茶の間を席巻しています。
でも、聞いてみると、韓国語も学習者を減らしているようです。
てことは、やっぱあの国ね。今年中にもGNPで日本を追い越して世界第二位になろうとしている中国ですか。
と思ったら、それも違う。中国語も学習者がずいぶん離れていってしまったようです。
じゃ、学習者は何語に流れているのかと聞いてみると、特定の言語に限らず、外国語の学習者自体がかなり減少しているのです。これにはちょっと驚きました。だって、ハイフォンといったら、ベトナム第三の都市で、しかも首都ハノイへの海の入り口となる港町です。外国との貿易も盛んだし、どうして外国語の学習者がそんなに減るんでしょうか。
実は、外資系企業へのベトナム人の採用が一段落してしまって、就職が以前ほど簡単にできなくなってしまっているんですね。それがここ数年の実情だったのですが、その認識が学生たちに浸透してきてしまっているということです。
それで、学生数を伸ばしているのがITとか経理とかの分野だそうです。
ということで、ビジネスとしての日本語教育も、顧客の争奪戦は特に外国語に限定した戦いじゃないんですね。たった一年で300人が180人に減少した原因が、まったく違う業務分野の教育だったとはびっくりしました。
就職とは直結しにくい状況では、学習者を確保するにはやはり日本のドラマなどのソフトパワーを利用していくことが有効なのかもしれません。
2010年01月04日
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私が今住んでいる、アメリカのモンタナ州でもまったく同じ感じの状況になっています。日本語とか、日本研究などを勉強する大学生が減っているような。去年から中国語の講座が私がいる大学ではできたので、中国語にとられたかと思いきや、中国語を履修する学生もかなり少ないままです。やはり不況のため、ビジネス系の分野に学生がうつってしまっているみたい。日本のアニメ、マンガ人気もちょっと頭打ちのような気がしてきたし、学生をどうやってリクルートすればいいのか、悩めるところです。
アメリカの中国語話者ってあまり伸びてないんですか。どうも日本では産経なんかが危機意識を煽り立てるような記事を書いていましたが、やっぱり,うのみにするのは危険なんですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091230-00000037-san-int