2009年11月17日

「語彙習得理論を“現場目線”で活かす!」が面白い!

ひょんなことで語彙習得理論について調べていたんですが、私ぐらいのレベル(日本語教師はやっているが、語彙習得については専門じゃないというぐらいの)にとっては、なかなか面白いオンラインの連載を見つけましたので、お知らせします。

「語彙習得理論を“現場目線”で活かす!」
http://www.eigokyoikunews.com/columns/j_okada/2009/04/post.html

連載の著者は岡田順子先生。現役の語学教員でありながら語彙習得理論の研究で博士号をとられた方で、『みるみる語彙力がつく!魔法の5分間英単語テスト (授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ 7)』という著書もあります。著書のタイトルを見れば分かるように、実は日本語教育ではなくて英語教育の人なので、例文などはそのままでは使えませんが、手法そのものは非常に勉強になります。

たとえば「フラッシュカードを効果的に使おう」という記事ではこんなことが書かれています。
1’ 英単語をみせて、日本語が言えるようにさせる、または、日本語を見せて、英単語が言えるようにさせる。
2’ 何回も繰り返すうちに、だんだんそのスピードをゆっくりにしていく。
3’ 日本語を提示した後、10秒から20秒、待たせてから、英単語を言わせる。

3’ では、生徒は、日本語の意味に相当する英単語を最大20秒頭の中でキープした後、その語をいわなければなりません。この20秒の間に、英単語が生徒の脳にじっくりときざまれていくのです。
http://www.eigokyoikunews.com/columns/j_okada/2009/05/post_2.html
普通は速くしていくパターンが多いと思うんですが、岡田先生はその逆なんですね。だんだんゆっくりにしていくんです。

「辞書で自作クローズテスト」(http://www.eigokyoikunews.com/columns/j_okada/2009/09/post_3.html)という記事では学習者がペアになって辞書の例文から出題するテストを通じて語彙を身につける活動や、さらに、同じ例文を自分に関係のある文に変更する活動などが紹介されています。これもおもしろかった。

ペアワークとしては、こんな活動も紹介されています。
「単語を10回ずつ書きなさい」を少し変えて、「ペアで分類しながら10回書きなさい」にするだけで単語を書く回数は変わらなくても、楽しく取り組めて定着率も高い効果的な語彙活動になるのです。
http://www.eigokyoikunews.com/columns/j_okada/2009/06/post_1.html
どういう活動かと言うと、「大きいもの/大きくないもの」などという二択の質問が十種類あり、「砂漠」などの語彙をどちらかに書いていくのです。詳しくはリンク先を。

以前『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで (PHP新書)』の書評でご紹介した「ランキング」ワザもこの連載の「語彙指導でも異文化理解教育を!」(http://www.eigokyoikunews.com/columns/j_okada/2009/07/post_4.html)に出てきます。
第一段階として「友情・信念・お金」などの単語を十個出し、まずは自分でランクをつけます。
第二段階としては、それを友だちに示して、その違いを共有します。
そして最後に第三段階として、友だちと話し合って合意できるランキングを作ります。
第一段階だけでも語彙を身につけるには効果がありそうですね。

その他、多読を使った方法、作文を使った方法など、いろいろなワザが紹介されていますよ。

岡田先生のブログによると
1.フラッシュカードの効果的な使い方。
2.語彙指導における
ペア・グループ学習の楽しさとその効果。
3.深い処理仮説に基づく語彙活動と、
現場での実際の取り扱い。
4 中学生、高校生がよく使う語彙ストラテジーを
より深める語彙指導のあり方。
5.記億方略としての絵, 実物、五感の使い方。
キーワード法。
http://okajun.noblog.net/blog/d/10758946.html
という内容で連載が進むようですから、これからも楽しみですね!

いやー、それにしても語彙習得理論に自分がいかに不勉強だったか思い知らされました。
久しぶりにわくわくした気持ちになりましたね。

そういえば、日本語教育の分野でも『ゴイタツ日本語教師をめざせ!―文型だけじゃない。語彙だって大切。』という本が売れているようですね。
まだこちらは読めていないので、似たような内容でしたら悪しからず。


参考書籍

posted by 村上吉文 at 07:59 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
私は言語教育に携わる中で、近年、語彙の重要性に着目しています。

この点において、紹介していただいた「語彙習得理論を“現場目線”で活かす!」は、大変参考になると思いながら、拝見しました。

外国語教育で、語彙教育に問題を絞れば、まず、提出語彙の適切性、そして効果的な提示、習得、教授法などの研究でしょう。

たとえば、ベトナムで「みん日」などを使っていると、提出語彙に相当のギャップを感じることがママあります。そして今ベトナム人教師たちが試みている非直接法による授業などが効率的なものなのかどうかも考えねばなりません。

ご紹介のサイトや書籍などを参考にしながら、何らかの構想を練っていく意欲が少々わいてきました。ありがとうございました。
Posted by ichamonologyst at 2009年11月17日 13:11
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック