2009年10月04日

民主党内にも「1000万人移民受け入れ構想」

二十代の頃は日本語教育に関する政策論にかなり関心を持っていたんですが、三十代は現場の仕事が忙しすぎてまったく手を触れていませんでした。今回、縁があってそれこそ十数年ぶりに外国人受け入れ政策関係の資料を見たんですが、世の中、ずいぶん進んでいたんですね。

まず、今回の選挙で与党になった民主党。選挙前のエントリーで「民主党は外国人政策に関心が全くないようだ」というようなことを書いてから三浦さんにコメント欄で教えていただいたんですが、実はそうでもないようです。その後いろいろ検索してみて驚いたのは、民主党内には「1000万人移民受け入れ構想」なんていうものもあるんですね。自民党では中川秀直さんがかなり積極的でしたが、民主党も捨てたもんじゃない。(ちなみに自民党の提言はこちらにあります)

それから、2005年の通商白書。通産省ではこんなことまで書いています。
現在の生産年齢人口を2030年時点においても維持しようとすれば、単純計算で2030年までに約1,800万人もの外国人労働者を追加的に受け入れる必要が生じる(第3-2-26図)。これは、平均すると年間数十万人規模で外国人労働者の受入れを行うことを意味し、2030年時点での外国人労働者の比率は、現在の1%強から25%強にまで上昇し、現在英米独仏日5か国で最も外国人労働者比率の高い米国の14.8%を大きく上回ることになる(第3-2-27図)。
1,800万人ですよ。労働者の四分の一が外国人ということですね。
ちなみに「第3-2-26図」というのはこれです。

第3-2-27図はこちら。

「米国を大きく上回る」ということですが、「オーストラリアとほぼ同じ」と表現することもできそうです。

それから、昨年の経団連の提言。上で紹介した通商白書の数字の他に国連の推計も以下のように紹介しています。
国連の試算10では、2050年時点で総人口のピーク時(2005年)の水準を維持するために必要な外国人流入数は、累計で1,714万人(年平均38万人程度)と推計されている。
その上で日本語教育にもついても触れているんですね。
また外国人自身やその子供に対する日本語教育の強化等、地域における受入れ体制の整備をさらに進めていくことが求められる。


これは十年前とは本当に流れが変わってきているな、というのが率直な感想です。当時、これほど現実味を帯びた移民論なんてあり得ませんでしたからね。明治維新の前に尊皇攘夷から文明開化へ一気に流れが変わったように、大きな潮流の変化がかなり近い将来に見られるような気がしています。

目を通してみて参考になった資料
民主党内の「1000万人移民受け入れ構想」
通商白書(2005年)
経団連「人口減少に対応した経済社会のあり方」

上記経団連の提言に対する反応
日本経団連の移民受け入れ策は亡国の政策
404 Blog Not Found:希望の欠如こそ、亡国の政策

その他の移民に関する主なブログエントリー
SAKANAKA CHANNEL:育成型移民政策と日本語教育
ホリえもんの移民論
posted by 村上吉文 at 09:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
「外国人が必要」というのは、もちろん労働力として必要ということなんでしょうが、それを「移民」として受け入れるのか、「臨時雇用」つまり必要なくなればお帰りいただくという態度で受け入れるのか、という政府レベルの方針(法律)の問題が一つあります。

そして、もっと大切なのは、国民が外国人をどのように処遇するのか。その意識が問題です。

もともと外国人との関係維持を得意としない日本人・日本文化ですから、自分のうちの隣に住む外国人、自分の地域や社会に入ってくる外国人をうまく受け入れることができず、様々な社会問題を引き起こすことを私は懸念します。

もし、移民計画を政府が本気で進めようとするのであれば、「共生」「協働」などという言葉が特別に取り上げられないような社会にすることが大切だと思います。

Posted by ichamonologyst at 2009年10月04日 15:14
どもども、お久しぶりでっす♪(誰か分かる? JOCV同期のsakaiです)
わたし、これからは日本語教師の役割は大きくなると思っておりますよん♪
Posted by sakai at 2009年10月04日 20:33
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