2009年07月03日

超一流とは 〜『シリコンバレーから将棋を観る』

 私は自分が超一流「である」とは思っていませんが、「になりたい」「でありたい」とはいつも思っている人間です。先日の「さあ、才能に目覚めよう」の記事でも「最上志向」が診断結果に入っていたとおりです。

 そういう人間にとって、この本の白眉は本文ではなく、あとがきにあります。
「超一流」=「才能」×「対象への深い愛情ゆえの没頭」×「際だった個性」

どうですか、この簡潔さ。このあとがき自体、タイトルが「もっとすごいものを」になっていて、さすが、表現に切れがありますよね。ビジョナリーたる梅田望夫師匠の面目躍如というところです。

 この「超一流」については、梅田さんのファンなら皆さんご存じだと思いますが、「学習の高速道路」という概念の流れを理解しておくと分かりやすいです。これについては以下のブログで、今までの著作を追いながら梅田さんの考えがまとめられています。

「学習の高速道路論を振り返ってみる」
http://stojkovic.blog20.fc2.com/blog-entry-1592.html

 さて、日本語教師にとっては、この本の内容だけではなく、書かれたあとに起きた翻訳プロジェクトも覚えておくべきでしょう。発端は梅田師匠が「この本は何語に訳してもいい」とウェブ上で宣言したことです。
本書の意味は、将棋の普及に某かの貢献をしたい、ということに尽きるわけで、版元である中央公論新社とも相談の上、本書の全部または一部を、英語はもちろん中国語でも韓国語でもスペイン語でもフランス語でも、どなたが何語に翻訳してウェブにアップすることも自由、とします(許諾の連絡も不要です)。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20090420/p1

そして、そのあとに巻き起こった事態はご存じのことも多いかもしれません。ウェブ上で英訳をやりたい人が集まり、たったの五日間で全訳されてしまったのです。
ぃやー長かった。
5日も掛ってしまいました。
が、ついに、一通り『将棋を観る』を訳し尽くしました!!!
http://d.hatena.ne.jp/shotayakushiji/20090505/1241528874

英訳された結果は以下で無料公開されています。

"Yoshiharu Habu and Modern Shogi"
http://modernshogi.pbworks.com/

ちなみに、上記の「超一流とは」は以下のように訳されています。
"First-class" = "talent" × "devotion to object" × "exceptional character"
http://modernshogi.pbworks.com/Postscript


この他にフランス語訳のプロジェクトなども発足しています。もしこういった内容に関心の強い学生ばかりいるクラスがあったら、ぜひ日本語教育のプロジェクトワークとして取り組んでいただきたいものです。

ベトナムで翻訳プロジェクトをやりたい人がいたら、僕の本をお貸ししますよ。
posted by 村上吉文 at 10:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | 書評 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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現代将棋から考える社会:シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代
Excerpt: シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/04/24メディア: 単行本 もはやネットの人と言うより、将棋の人になった梅田望..
Weblog: 本読みの記録
Tracked: 2009-08-17 22:55