2008年10月15日

本を作るのって、こんなに簡単でこんなに大変

昨日、日本からとうとう本が届きました!

うひゃー!

この「うひゃー!」は、「うわー、本になったー!」という興奮に近いものと、「やっと終わったー!」という安堵感みたいなものが混じり合った感覚ですね。

ということで、初めて単著を上梓するにあたり、感想を二点。

まあ、
タイトルの通りなんですが、一点目は「本を作るのってこんなに簡単なのか」ということ。

編集者の伊藤みずほさんに会ったのが、確か2007年春の日本語教育学会の会場でした。たまたま私が出た大学院の後輩で、世間話をしているうちに、モンゴルで作った教材が話題に上り、そこから先はあれよあれよという間に「じゃ、アルクから出しましょう」ということに。

そのころは下の子供がまだ六ヶ月ぐらいで、仕事よりも育児などに時間をかけていた時期でした。こちらも当然、もっと仕事をバリバリやっている人しか本を出してはいけないような印象もあり(それこそ、勝間和代さんとか梅田師匠とか)、我ながら「ほんとに俺でいいのか?」という違和感がどこかにありました。

この辺で感じたことは、出版社というのは、意外とハングリーに売れるネタを探しているんだな、ということ。

もしみなさんが世間に受けそうなネタを持っていたら、駄目でもともとですから、関心を持ってくれそうな出版社に持ち込んでみてはいかがでしょうか。というと、100人中99人が「いやいや僕なんて」と答えるのが目に見えるようですが、一般人(すくなくともウェブが発達する前に社会人になった世代の)が抱いている印象よりは、ずっと懸命に出版業界はネタ探しをしているのではないかと思います。

そう思い始めたのは、私がこのブログを書いていたら「記事を書きませんか」と声がかかったりしたという事情もあるかもしれません。

で、二点目なんですが、始まってみると、これは想定外に大変でした。編集部の方が大連までニーズ調査に行ってくれたり、その結果、仕様書を読むための章を追加することになったり、独習教材としても使えるようにレイアウトを変更したり、結局、執筆に入るまでに一年近くかかっていました。

ブログ書くのとは違うなあ、というのが、その頃の心境でしたね。

執筆に入ると、それまでの準備にかけていた時間とは対照的に、いきなりタイトなスケジュールになりました。これは、私はベトナムに赴任するのでそれに間に合わせなければならないという事情ももちろんあったのですけど。

ただ、一つだけ間違いなく言えることは、本を作るという課程を通して人は成長することができるということです。ブログと違って読者からお金をいただく以上、それに見合った内容は確保しなければならないし、手の薄い分野は資料を読み込んだり、実際の現場を訪れたりして勉強しなければなりません。また、私のように出版業界と縁のなかった人にとっては、そこでの仕事ぶりなどもとても刺激的で参考になりました。

最後に、日本語教育と違う点は、目に見えて、手に取れる成果物があるということで、これは非常に嬉しいですよね。日本語教育の場合は、どれだけ学習者の日本語力が伸びたと言っても、まずその成果が明確ではありませんし、さらにその明確でない成果のうちのどの部分が教員によるものかなんて、全然分かりません。

それに比べて、出版の場合は実際に「本」というモノがあるので、「仕事したなー!」と実感を伴って思えるわけです。

以上、簡単ですが、出版にあたっての感想を書いてみました。




10/16追記:
コメントをくれた某氏の著作もご紹介しておきます。

いやー、面白そうだなあ。
タグ:ALC
posted by 村上吉文 at 09:04 | Comment(11) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
ご出版、おめでとうございます!

早速(このページから)アマゾンで購入いたしました。
届くのが楽しみです。
Posted by ようすけ at 2008年10月15日 13:42
おー、さっそくありがとうございます!
(アフィリエイトのことまで考えてくれて、さらに感謝です)
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 村上吉文 at 2008年10月15日 14:00
出版おめでとうございます。
ブログも本も体力いりますよ。
(尊敬の眼)
Posted by samandabadra at 2008年10月15日 14:38
ご無沙汰致しております!ご出版おめでとうございます!是非読ませて頂きたいです☆まずは本当にお疲れ様でした、そしておめでとうございます!
Posted by モンゴル・タジマ at 2008年10月15日 15:47
村上さん!
すごいですねっ!!
僕も時間見つけて
アマゾンとかで買いますね!
(届くか不安ですが)
Posted by オーハラ(ウクライナ) at 2008年10月15日 18:59
samandabadraさん、モンゴル・タジマさん、オーハラさん、コメントありがとう!

某氏の著作も追記で入れときました!
Posted by 村上吉文 at 2008年10月16日 08:02
ご無沙汰してます!

出版おめでとうございます。
早速、読ませていただきたいと思います♪

体に気をつけてがんばってくださいね〜。



Posted by えじぷとのりこ at 2008年10月22日 21:24
おー、エジプトにいたのりこさんですか。
もしかして、ボストン帰りのbakaseさんって知り合い?
Posted by 村上吉文 at 2008年10月22日 22:43
突然お邪魔いたします。「ベトナムで本を作る」を検索したらこちらへたどり着きました。出版おめでとうございます。
 突然ですが、お尋ねしたいことがあるのです。
私は、村上さんはベトナムで本をお書きになったと解釈しました。合っていますか?それで、出版社は日本の出版社を利用されたのですよね?
ベトナムの出版社ではないのですよね?
 と言うのは、私は今ホーチミンで本(本は日本語です)を書いていて、こちらで本を作る方法を探しているのです。
もし差し支えなければ、教えていただけると助かります。Mamo
Posted by Mamo at 2008年10月24日 18:23
実は、ベトナムにはまだ来たばかりなんです。
本を作るための話し合いは、全部、日本にいるときにしました。
最初からベトナムにいる場合は、どうすればいいのか、ちょっと分かりません。

もしかしたら、こちらの例が参考になるかもしれません。
http://www.vietnam-sketch.com/column/japanese/2007/10.html
作者の小松さんはもともと出版業界の方だったようですよ。
Posted by 村上吉文 at 2008年10月24日 18:38
先日は、弊ブログにお越しくださってありがとうございました!
IT業務編、まだ拝見していないのですが書店で探してみますね!!
いつかお会いできれば嬉しいです。

プロフィール拝見しました。
私もブライアンアダムス大好きです☆
「There will be another tonight」が特に。
声が素敵ですよね!!
Posted by ふぇんふぇん at 2008年11月01日 02:04
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