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2008年07月19日

毎日新聞炎上の件 王蟲はペジテに呼び寄せられているのか?

このブログはあまりネットにアクセスしていない人も読んでいるようなので、まず、事件の概要です。
毎日新聞社は英文サイト「毎日デイリーニューズ」(Mainichi Daily News)上のコーナー「WaiWai」で、「日本の女子高生はファーストフードで性的狂乱状態」など低俗な記事を長年にわたって配信し、ネット上で批判の声が上がっていた。同社は6月23日、同コーナーを中止・削除し、監督責任者や担当者らを処分すると発表したが、25日の株主総会で、それまでの常務デジタルメディア担当が社長に、同デジタルメディア局長も取締役に昇格する人事を可決・承認(27日に役員報酬の一部返上を発表)。これがネット上の炎上に油を注ぐ格好となり、毎日新聞社のほか、毎日新聞および毎日jpに広告を載せている大口の広告主へも抗議、問い合わせが電話やメールで寄せられることとなった。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080708/310423/

旧メディアは報じていませんが、ネットではたとえば去年夏の朝青龍バッシングなどよりもずっと規模の大きい事件になっています。史上最大の炎上事件といってもいいのではないでしょうか。

そしてその結果、毎日新聞のサイトは自社広告だらけになりました。抗議する人たちが広告主に圧力をかけたからです。つまり、毎日新聞はネットからの広告収入を絶たれてしまったということになります。

最初、僕がこの結果を見たときは、「これは旧メディアに対するインターネットの勝利として歴史に残るのではないか」と思いました。

ただ、経過を見ているうちに、どうも不安になってきました。というのも、2ちゃんねるなどでは「内部の者」を称してタレコミをしている人たちの発言がかなり大きな影響を与えているのですが、これがまったく検証不可能な発言だらけなのです。そりゃ確かに内部告発する人が身分を明らかするのは難しいでしょう。それは分かります。ただ、内容が「この件が片づいたら2ちゃんねる潰してやると幹部のだれそれが言った」などの、いわゆる「煽り」に偏っていることが気になります。

中には本物っぽい発言もあるのですが、外部の人間にはいまいち信憑性が判断できません。私だってITエンジニアの経験なんてありませんが、外国人ITエンジニアのための日本語教科書なんて書いています。エンジニアに読まれるといろいろ突っ込まれますが、エンジニアじゃない人には「村上さんはエンジニアの経験があるから書けるんですよ、私には無理です」なんて言われることもあります。要するに、外部から調べるだけでも、外部の人間に自分は内部の人間だと思わせることはそれほど難しいことではないのです。(内部の人間にまでそう思わせるのは難しいでしょうが)

で、ちょっと思うことがあってデータを取ってみました。

調査
YAHOOの「ネットニュース」カテゴリー(http://dir.yahoo.co.jp/News/Usenet/)に載っている13サイトで、「毎日新聞 waiwai」を検索してみました。

うち、5サイトは以下の理由で結果が出ませんでした。
チャンネルK(休止中)
livedoor ニュース PJニュース (他社のニュースが出るので除外)
japan.* News Groups List (検索窓がないので除外)
Map de News (同上)
i-revoニュース (サービス終了)


残り8サイトの検索結果は以下の通りです。
JANJAN 2
オーマイニュース 0
newsing 3
J-CASTニュース 29
アメーバニュース 0
ウィキニュース 0
トピックイット@nifty 0
ツカサネット新聞 0


グラフにするとこんな感じです。
waiwai.jpg
一社だけが突出しているのが分かると思います。

煽っているのは誰?
で、この一社がどういう会社かというと、自社サイトでこのように書いています。
J-CASTニュースの代表者は、朝日新聞出身の蜷川真夫(元アエラ編集長、(株)ジェイ・キャスト代表取締役)が務めます。編集長は、同じく朝日新聞出身の大森千明(元アエラ編集長、元週刊朝日編集長)です。
http://www.j-cast.com/2006/07/26002252.html

叩かれている毎日新聞社の同業他社と深いつながりがあることが分かります。

で、こうした状況を見てみると、fladdict氏の以下の発言が非常に重大なことを示唆しているように思えるのです。
多分攻撃色に染まった王蟲の大群みたいな攻撃から身をまもる社会的な機構ってのはまだ存在してないんだよなぁ。
http://fladdict.net/blog/2008/07/enjo.html

これは言うまでもなく「風の谷のナウシカ」からの比喩ですが、あの「攻撃色に染まった王蟲の大群」を呼んでいたのは、同じ王蟲の子供でした。王蟲から見れば、自分たちの種族の子供をさらって傷つけた人間を容赦しないのは、まったくの正論です。その意味で、今回の毎日新聞の行動に怒りを感じて行動し、広告収入の道を断ち切った人たちの主張も、まったく正論だと思います。

ただ、王蟲にはペジテの姿が見えていなかった。人間から見れば、王蟲の子供をさらったのはペジテであって風の谷でもトルメキアでもない。しかし、怒濤のように押し寄せる王蟲には、人間は皆同じに見えてしまうのでしょう。

さて、ここで思い出してほしいんですが、2ちゃんねるの人たちが批判し続けてきたのは、本来、別の新聞社じゃありませんでしたっけね。

子供をさらって王蟲を敵陣に呼び寄せたペジテ。王蟲の敵はペジテのはずだったのに、結果的にペジテの敵であるトルメキアを全滅させるための手段となっていました。ペジテと同じようなことを考えている人がいるのかは分かりませんが、今のネットの動きは攻撃色に染まった王蟲の群れに、確かに似ているような気がします。


参考資料
JANJAN 2 http://search.janjan.jp/search?q=%96%88%93%FA%90V%95%B7+waiwai&btnG=%8C%9F%8D%F5&site=fsi_testcoll&client=fsi_test&proxystylesheet=fsi_test&output=xml_no_dtd&ie=sjis&oe=sjis
オーマイニュース 0 http://www.ohmynews.co.jp/search/?category_id=&q=%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E+waiwai&x=0&y=0
newsing 3 http://newsing.jp/searchentry?q=%CB%E8%C6%FC%BF%B7%CA%B9+waiwai
J-CASTニュース 29 http://www.google.co.jp/custom?sitesearch=www.j-cast.com&domains=www.j-cast.com&q=%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E+waiwai&sa=Google%E6%A4%9C%E7%B4%A2&forid=1&ie=UTF-8&oe=UTF-8&flav=0000&sig=IOr0Ql3iJS1PExd-&hl=ja
アメーバニュース 0 http://www.google.com/search?hl=ja&client=opera&rls=ja&hs=kOH&q=waiwai+%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E+site%3Ahttp%3A%2F%2Fnews.ameba.jp%2F&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
ウィキニュース 0 http://ja.wikinews.org/wiki/特別:Search?search=%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E+waiwai&go=%E8%A1%A8%E7%A4%BA
トピックイット@nifty 0 http://topic.nifty.com/topic_list/result?keyword=%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E+waiwai
ツカサネット新聞 0 http://www.222.co.jp/netnews/index.aspx


追記:毎日新聞の謝罪文には「毎日新聞はこうした名誉を棄損するなど明らかな違法行為に対しては、法的措置を取る方針でいる。」という部分がありましたが、これなんてクシャナの「焼き払え! どうした。それでも世界でもっとも邪悪な一族の末裔か?」というセリフを彷彿とさせます。ペジテ兵の「はは、馬鹿め。自分で招き寄せていやがる。」も、どこかで誰かが再現していたのかもしれませんね。
タグ:社会時評
posted by 村上吉文 at 07:11 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
毎日新聞 炎上 で検索してきました。

>今のネットの動きは攻撃色に染まった王蟲の群れに、確かに似ているような気がします。
確かにこんな感じがします。

「王蟲を敵陣に呼び寄せたペジテ」
追記の部分のコメント、いいですね。
Posted by kw at 2008年08月01日 01:44
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